これはなんとも可愛らしすぎる――。1月14日に初日を迎えた大相撲初場所での、大関・貴景勝のことである。といっても大いに注目を浴びたのは貴景勝本人ではなく、土俵入りの際につけた化粧まわしだった。
なにしろ女性を中心に高い人気を誇るルームウェアブランド「ジェラート ピケ」から贈呈されたものなのである。ブランドの定番であるキュートなクマ柄が真ん中にひとつ。それが意外に似合っているのだ。
これは「大人のデザート」がコンセプトの洋服ブランドで、着心地にこだわったモコモコ素材が人気だ。外出着というよりルームウエアがメインであり、特にパジャマの心地よさはこの時期ではトップクラス。「デザート価格」という設定だが、デザート以上のメインラインも増えている。女性誌ファッションライターの解説。
「ジェラートピケが立ち上がったのは2008年で、レディースが中心でした。ふわふわのボア生地で可愛いデザインが多いので、男性から女性に贈る定番アイテムとして人気を博しました。近年になって、メンズも登場しています。それまではお泊まりデートでカップルが一緒に着るなど、おそろいを着回していたイメージですね。ここ数年は韓国の男性K-POPグループがこぞって着始めたことで、より注目されるように。スポーツ界ではサッカー選手などが着ていましたが、今回、最も遠そうだった力士が使ったことで、もっと男性にも浸透していくかもしれません。クマっぽい男性が可愛いクマ柄を着る、ナイスなテクですね」
もともとメンズ用のアイテムは大きめサイズの印象があるが、そうしたものを展開すればプラスサイズ男性には喜ばれるかもしれない。この化粧まわしをきっかけに、若者が大相撲に目を向けるようになればいいが。
(小津うゆ)