12月5日、アマチュア相撲のNO.1を決める「全日本相撲選手権大会」が開催された。決勝トーナメントでは、昨年の王者・花田秀虎(日体大2年)や高校生横綱のタイトル保持者・落合哲也(鳥取城北3年)の両注目選手が準々決勝で敗退。花田の1学年先輩であり、落合を準々決勝で下した中村泰輝(日体大3年)がアマチュア横綱の賜杯を手にした。相撲ライターが賛辞を送る。
「アマチュア相撲最高峰の舞台にふさわしい、高校・大学・社会人の全国上位クラスが集結しました。中でも、インターハイを2年連続優勝している落合への注目度は高かった。危なげなく勝ち進んだ予選や決勝トーナメント1回戦で2年前に同大会を制した谷岡倖志郎(近大職員)を下した取組は高校生のレベルではなかった。83年の故・久嶋啓太(元幕内・久島海)以来の高校生優勝に期待がかかりましたが、大学ナンバー1の呼び声高い中村のほうが一枚上手だったようです」
一方で、強者たち紙一重の戦いと同様に耳目を集めたものがある。旧友や後輩たちの応援に駆け付けた関取衆の姿である。
「過去の覇者である東洋大出身の御嶽海(28)や日本大学出身の水戸龍(27)の姿が観客席にありました。高校の強豪・埼玉栄出身の大栄翔(28)と貴景勝(25)の先輩後輩コンビは二人仲良く観戦していました」(前出・相撲ライター)
学生相撲強豪校からは大相撲はもとより、全国の実業団やクラブチーム果ては学校の指導者に転身するケースは多い。合間の休憩時間には、かつての同窓生たちと関取衆が歓談するシーンもあった。
「会場外の通路では、正代(30)が選手の連れてきた赤ちゃんと交流していましたね。ボックス席には間垣親方(36・元横綱白鵬)や武隈親方(35・元大関豪栄道)ら親方衆の姿も。特に間垣親方は大人気で、写真撮影待ちの人だかりができていました。当然、関取衆たちも写真撮影には快く応じていましたよ」(前出・相撲ライター)
さながらコロナ禍によって中止が続いている「地方巡業」のような光景。非公式ながら、今大会は長く途絶えていた力士とファンの交流の場になったに違いない。