大相撲初場所4日目(1月17日)から大関貴景勝が休場した。「頚椎(けいつい)症性神経根症」で2週間程度の安静加療が必要という診断書が提出され、師匠の常盤山親方(元小結隆三杉)は「本人から休場させてくださいという連絡がありました」と説明していた。
「鞭打ちのような症状です。2日目の熱海富士戦で首を痛めたそうで、右腕に力が入らないということでした」(相撲担当記者)
貴景勝の休場は昨年7月の名古屋場所以来11度目。3月の春場所は8度目のかど番となるが、貴景勝の元師匠・貴乃花光司氏も「立ち合いの衝撃で首を痛めて血行障害になりました。今も指先まで血が流れない感覚です」という。真夏でも手袋をしていることが話題になり、本人は「指先が冷え切って寒いからです」と話していた。
大相撲の看板力士である大関のが、休場は興行的には痛いはず。しかし相撲協会は安泰だ。
「今場所は早々に15日間の前売りチケットが完売。コロナによる水際対策もなくなり、インバウンドも復活。国技館は海外の観客だらけですよ」(前出・相撲担当記者)
一方、親方衆といえば今場所後に行われる2年に一度の理事改選の方に頭がいっぱいだ。5つあるそれぞれの一門ごとに理事選候補を選出する会合が行われているが、
「選挙とは名ばかりで、定員10人の数合わせのために各一門で誰を出すかの談合です」(前出・相撲担当記者)
そして次期理事選に出る顔ぶれもいつもと変わらないメンバーばかり。横綱、大関が休場を繰り返し、NHKから年間30億円以上とも言われる放映権料でしっかり守られる相撲協会はこれからも何も変わらない。
(小田龍司)