社会

能登地震に学ぶ「大震災で転ばぬ先の知恵袋15」(3)火災保険はどこまで地震に効くのか

Q10 火災保険は地震でも効く?

 地震は何も建物の倒壊ばかりではなく、大規模火災も付き物。今回の能登でも、輪島市などで大きな火災が発生した。あの模様を見て、火災保険が適用されると考えるのは大間違い。「風水害」は補償の対象でも、地震、噴火、津波は別なのだ。

「地震は発生予測が難しいので、保険ではカバーできないのです。ただ、集中豪雨などが原因で起きた床上浸水や土砂崩れなどは『水災』で、暴風雨や強風は『風災』で、他にも『雪災』や『落雷』といった自然災害は契約によって補償を受けられます」

Q11 地震保険ってどんな保険?

 能登の地震では、北陸地方では地震保険の加入率があまり高くないことが明らかとなった。火災保険ではカバーできない「地震」をカバーしてくれるのが地震保険だが、

「地震保険は通称『地震保険法』に基づいた官民一体の特殊な保険で、火災保険とセットで加入できます。やはりいつ・どこで・どの規模でがわからないため、受け取れる金額はどの商品でもおおむね小さくなりますが、補償内容や保険料は一律で、建物と家財の損壊の程度に応じて、保険金額の5~100%が受け取れます」

Q12 車の扱いは?

「マイカーは自動車保険に車両保険を付けることで、車両水没、風災での被害など、自然災害もカバーできます。ただ、やはり地震は補償の対象外になるので、一時金特約を付けておけば、車の時価を上限に最大50万円を受け取れます」

Q13 よくわからないメールや訪問客が来るんだけど

 1月12日、国民生活センターは、能登半島の地震に便乗した不審な電話や訪問に注意するよう、警告を発した。被災地とその周辺では、人々の不安に付け込んだ詐欺師や悪質業者が跋扈するのも、また付き物なので注意が必要だ。

「義援金や寄付を集めるという電話やメール、保険を使って自宅の修理ができる、保険申請もサポートするといった、怪しい訪問によるトラブルが激増しています。『タダでうまい話』はありません」

Q14 災害の時、クレジットカード、電子マネーは使えるの?

「被災地が停電していた場合、クレジットカードや電子マネーは使えません。最近はスマホ決済の普及などで、あまり現金を持ち歩かない人が多くなっていますが、災害時はむしろ小銭があると便利です。過去の災害では、所持金が1万~2万円という人が大半でした。日頃から5万~10万円ほどの現金を用意しておくとよいでしょう」

Q15 今住んでいる場所は大丈夫?

 災害大国の日本では、いつ・どこで・どんな災害に見舞われるかわからない。国交省や自治体では、ハザードマップほか、液状化マップや被災履歴図などが公開されているので、平時から確認しておくべきだ。

 ただ実際、お金が本当に必要になるのは、「いったん避難生活が落ち着いたその先の話」と言うのは、防災ジャーナリストの渡辺実氏。

「今回のような激甚災害の場合、実はお金はあっても使う場所がない。しばらくは救援物資もあって、住空間含め、不十分ですが日々のなりわいは何とかなる。問題は、今後の生活を組み立てる段になってから」

 それより被災地で喫緊の問題となるのは、人の生理現象との話も。

「排泄は大も小も人間なら誰でもするもの。現在もトイレ環境が劣悪なため、水を飲まない・食べないという人が出てきてしまっている。女性の生理用品は必ず支援物資に入れられているので、不足はあるかもしれないが、それはまだ大丈夫。それより問題なのは、高齢者で、大人用オムツが足りていなくて遅れがちになります。それと避難所は飲酒不可なのに、どこから調達したんだか、必ず泥酔した輩が現れる。すると報道はされませんが、性被害が生じる。過度のストレスからなんだろうけど、あってはならないことです」(前出・渡辺氏)

 被災地では性の管理も重要な案件になってくるようだ。

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