Q4 家族が亡くなったり、ケガ・重い障害を負った場合は?
やはり災害報道に接していたたまれなくなるのが、災害で家族を亡くした人の姿だ。せめて金銭的補償があればとも思うが、実際に「弔慰金」というものが受け取れる。また生命保険は、地震、噴火、津波は免責事由に該当するが、過去の震災では支払われている。
遺族に支払われる弔慰金は生活維持者で500万円、それ以外は250万円だ。けがや病気、重い障害には「見舞金」が出て、同じく250万円と125万円。
「災害で家族が行方不明になった場合には、3カ月を超えた時に申し立てると弔慰金が受け取れることがあります」
Q5 義援金がもらえると聞いたが?
災害が起こるとよく目にすることになるのが義援金や募金の告知。日本赤十字や中央共同募金、NHKなどの義援金は、各自治体に配られて、被害程度に応じて被災者が受け取ることができる。
「公平に分配されることが義援金のよさですが、災害ごとに集められるので、被災者が多いと1世帯当たりで受け取れる金額は少なくなりがちです。義援金によって住宅再建が進んだケースもあれば、1世帯当たり平均が40万円ほどといったケースもありました」
Q6 まだ住宅ローンが残ってるんだけど
家が損壊すること自体ショックだが、もっとショックなのが、住宅ローンが残っていた場合。家がなくなって借金だけ残ったとなれば、まさに地獄だ。
「住宅ローンが残っている場合は、当面は支払猶予、返済不能となった場合は減免を受けられる可能性があります。要件を満たすことが必要ですが、自己破産することなく、いわゆるブラックリストに載ることもありません。まずは弁護士に相談することをお勧めします」
Q7 家が賃貸の場合は?
「家が賃貸の場合、全壊などで居住不能になったら、その場で賃貸借契約は終了します。その場合、新しい住居を探さないといけませんが、賃料の支払いがなくなるのはもちろん、敷金も返ってきます。また被害程度に応じて支援金(前述)の支給を受けられるので、もれなく手続きをしましょう」
Q8 仮設住宅ってお金はかかる?
家が全壊や全壊でなくともしばらくは住めず、みずから住まいの確保ができない場合は、仮設住宅の提供を受けられる。トレーラーやコンテナハウスの場合もあって、恨み言の1つも言いたくなるだろうが、それでも2年まではタダで過ごすことができる。
「あくまで仮住まいなので、原則2年までです。それを超えて住宅の確保が難しい場合は、自治体が建てた災害公営住宅に、安い家賃で住むことができます」
Q9 それでも足りない場合は?
このように様々な支援が被災者には用意されているが、それでもなかなか足りるものではない。だからこれら代表的なもの以外にも、様々な支援があることを知っておくべきだろう。
罹災証明書を交付された人が、住宅を建設・購入・補修する場合の、低利・全期間固定の「災害復興住宅融資」、ローンが組みにくい60歳以上の高齢者には、住宅再建・修繕を後押しするため、新たな家や今ある土地を担保に融資を受けられる「高齢者返済特例(災害リバースモーゲージ)」といった制度もある。仕事を失ったら、雇用保険に災害の場合の特例措置があり、どうしても立ちゆかなくなったら生活保護も視野に入れる必要がある。金融機関からお金を借りられない場合は、「災害援護資金」で被災者が低利で貸し付けを受けられる制度があるので、困ったら市区町村の社会福祉協議会に問い合わせてみるのも有効だろう。