そのCSISには日本政府からは防衛省、公安調査庁、内閣情報調査室の職員、民間ではNTTの職員などが客員研究員として所属している。また麻生氏ばかりか、安倍総理もそこを訪れ、何度も講演を行っている。政治評論家の浅川博忠氏は、トランプ側と窓口になる自民党キーマンを、
「麻生氏、進次郎氏」
と明かすが、背景には、CSISが将来有望な若手官僚や政治家を目指す人物の、出向先や留学先となっていることがある。
「現政権でCSIS出身者の有名人といえば、自民党衆議院議員の小泉進次郎氏(35)です。現在は党の農林部会長ですが、トランプ大統領誕生で外務系に起用される可能性があります。ただし、政治家としての器がまだまだなので、大臣抜擢とはならないでしょう」(政治部記者)
ところで永田町では来年1月の衆院解散・選挙風が吹いていたが、最近鳴りを潜めている。その理由もトランプ氏にあった。
「大統領の就任式は、来年1月20日です。政権交代という大事に、日本で政治を動かすのはまずいだろうということになりました。代わって水面下で急浮上したウルトラCが、11月解散、12月の年末総選挙説です」(前出・政治部記者)
対立政党の民進党は代表の蓮舫氏(48)が、みずからの二重国籍問題について苦しい言い逃れに終始し、有権者の信頼は崩れ落ちた。野党転落の戦犯・野田佳彦氏(59)の幹事長登用で、党内もガタガタ。野党共闘のパートナー共産党も距離を置き始めている。また民主党政権時にアメリカは、米民主党のオバマ政権だったが、この“事変”に直面して「トランプ氏とのパイプ」はあるのか。
「それなりにはあります。今後はそこを使ってアプローチしていくでしょう。ただ、自民党のほうが明らかに太い人脈を持っています」(前出・浅川氏)
と、どうも新大統領の利権にあずかるには心もとない。この状況での電撃選挙は、自民党にとって千載一遇のチャンス。米新政権誕生と歩調をそろえてスタートする、という意味も生まれる。
「現時点では、2月選挙が可能性として高い。『12月』は現実的ではないものの、11月中旬くらいから議員の忘年会が選挙区で始まります。そうした場で支持者から『12月』の声が高まればあるいは‥‥」(前出・浅川氏)
トランプ氏は選挙期間中、
「在日米軍の駐留経費を100%日本に支払わせる。条件によっては米軍を撤退させる」
と公言。これをはき違えたのが、基地移設反対の沖縄県・翁長雄志知事(66)だ。琉球新報は10日、
「トランプ氏勝利 翁長知事、異例の祝電」
と報じた。来年2月に訪米してトランプ氏との面会も希望している翁長知事。中国の脅威が高まる中、日米同盟は気になるところだが──。