プロ野球・ソフトバンクが、打撃練習用の最新鋭マシン「トラジェクトアーク」の導入を本格検討していることを、一部スポーツ紙が報じている。
同マシンは昨年、大谷翔平が所属していたエンゼルスが導入し、大谷のア・リーグ最多44本の本塁打王に一躍買ったことで注目を集めている。回転数や変化量に加え、軌道にジャイロ成分を反映させ、投手が投げる球の完全コピーを実現するという。ソフトバンクは昨年、あらゆる投手とのシミュレーションを可能にした投球マシン「iPitch(アイピッチ)」も2台購入。今季はハイテクマシンを活用し、覇権奪還を達成したいところだ。
もっとも、選手の誰もが大谷のようにマシンを活用できるかは未知数。価格は非公表だが、データ更新などの維持にかかる月々の費用は約150万円もかかるといい、費用対効果をどれだけ上げられるか、他球団も注目していることだろう。
ただ、元ソフトバンクで現在は大リーグ・メッツに所属する千賀滉大投手は古田敦也氏のYouTubeチャンネルに出演し、最新の動作解析機器について言及した際、「ソフトバンクは撮影したりする機械は揃っているんですけど、それを選手に落とし込める人がいない」とキッパリ。さらに「どの球団もそういう人材がいないのは事実」としていた。
「結局のところ、どんなに最新の機材を導入しても、それをきちんと扱える人材がいなければ宝の持ち腐れということ。日本はデータ分析においてはメジャーからかなり遅れをとっており、今後は専門家の育成に力を入れていくべきでしょうね。大谷は日本ハム1年目のオフ、フォーム動作解析のため筑波大学に足を運んでいます。当時まだ18歳の大谷のおそるべき研究心と意識の高さ。球団側だけではなく、選手も見習ってほしいですね」(スポーツライター)
ソフトバンクは最新鋭マシンの購入に満足しただけで終わらなければいいが…。
(ケン高田)