山あり谷あり、まさかの大逆転あり。白熱した野球の試合さながらに、その激動人生が交錯している2人のプロ野球人がいる。かつての「ハンカチ王子」と、球界を代表する大投手「マー君」だ。プロ野球生活のスタートから残酷なほどに明暗が分かれていたが、それも昔の話。片やウハウハ急上昇、片やジリジリと後退…という状況なのである。(2024年1月9日配信)
元プロ野球選手で現在は「株式会社斎藤佑樹」の代表取締役の斎藤佑樹氏が、ついに「勝ち組」に上り詰めたと、ファンの間で話題になっている。
早稲田実業学校高等部3年時にエースとして夏の甲子園に出場し、決勝再試合の末、田中将大(楽天)擁する駒大苫小牧を下して優勝した斎藤氏。「ハンカチ王子」の愛称はこの年の流行語大賞トップ10に選ばれ、一躍、時の人となった。その後は早稲田大学に進学し、東京六大学リーグで優勝。ベストナインに選出されるなど大活躍の末にドラフト会議で4球団から1位指名され、日本ハムに入団した。
鳴り物入りでのプロ生活だったが、通算10年で15勝29敗と、当初の期待を裏切る成績に終わり、かつてのライバル・田中に大きく差をつけられた。ところがここにきて、斎藤氏が一気に田中の背中に急接近。あわよくば追い越す勢いを見せているのだ。スポーツライターが語る。
「引退後、起業した斎藤氏は、テレビ番組や大手企業のCMに出演するなど、かなりの順風満帆ぶりを見せています。講演会のギャラは1回150万円以上に高騰し、あの落合博満氏を上回るといいます。華々しいドラフト入団会見から苦しんだ10年でしたが、グラウンド外とはいえ、ようやく苦労が報われたといっていいでしょう」
一方の田中はメジャーリーグから帰国後の成績が振るわず、2年連続で大減俸を食らうとみられる。安楽智大投手のパワハラ問題への関与も疑われるなど、最近はネガティブな話題ばかり。幸運期が訪れている斎藤氏とはすっかり、明暗が分かれてしまったようだ。
(ケン高田)