「井上選手にとって過去最強の相手だと思いますよ。井上チャンピオンに、もし勝てるとすれば…っていう要素を全て持ってるんで。ネリは連打が全部強くパンチを打てるんで、それが彼の強みですよ」
こう言って警戒心をあらわにするのは、ボクシング元2階級制覇王者の畑山隆則氏である。「井上選手」とはもちろん、世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥であり、「ネリ」とは「悪童」の異名を持つ、元WBC世界バンタム級、スーパーバンタム級王者のルイス・ネリだ。
両者は5月6日に東京ドームでの激突が予想されており、その一戦に向けて現在、調整中だ。
スティーブン・フルトン(アメリカ)、マーロン・タパレス(フィリピン)といった王者にKOで連勝し、わずか2戦で4団体統一王者に輝いた井上だが、畑山氏はYouTubeチャンネル〈渡嘉敷勝男&竹原慎二&畑山隆則ぶっちゃけチャンネル〉で、勝利を楽観視できないと、冒頭の言葉のように警鐘を鳴らすのだ。
ネリの戦績は36戦35勝(27KO)1敗。2018年3月1日の山中慎介戦では体重超過で王座を剥奪されたが、その上で山中に2RのTKO勝利。それ以前の2017年8月15日にも、当時王者だった山中に4RでTKO勝利した後、ドーピング違反が発覚している問題児だ。
もっとも、ネリに唯一勝利したブランドン・フィゲロア(アメリカ)は、フルトンに0-2の判定で唯一の敗北を喫しており、そのフルトンをノックアウトしたのが井上だ。
日本人としては、スカッとした井上のKO勝利を見たいが、まずは対戦が正式に決まるのを待ちたい。
(所ひで/ユーチューブライター)