芸能

これは「11PM」か!ラランド・サーヤが次々と「性の話」を展開するNHK教育テレビの「攻めまくり」

 NHK Eテレの「はなしちゃお!~性と生の学問~」が攻めまくっている。「性を意外な『学問』で深掘り!」というキャッチが付いているこの番組はその都度、テーマに沿ったVTRが流れ、その合間にサーヤ(ラランド)とパペット人形「まっきぃ」の会話が挟まれるという作りだ。

 過去回のテーマをピックアップしてみると、「ラブホテル×建築学」「アンダーヘア×民俗学」などなど。直近の放送などは「バスト特集」で、それこそ往年の深夜放送で、当時の男子たちが親に隠れて見ていた「11PM」か「トゥナイト」かと見紛うようなものばかり。

 サーヤの相棒である「まっきぃ」の声を担当しているのは、マキタスポーツ。パッと見、「哺乳瓶かな」という姿をしているが、その設定は「避妊具の妖精」。頭のてっぺんにある小さなふくらみは「液だまり」を模しているようで、芸が細かい。

 で、この「お姉さんとパペット人形のやり取りによる番組の進行」というところが実に「教育テレビ」な雰囲気がして、その番組内容とのギャップが面白いのだ。

 MCのサーヤがとてもいい。当初、彼女に対しては福田麻貴(3時のヒロイン)や加納(Aマッソ)あたりと一緒になって、令和の新しい女芸人みたいなことを謳って(実際、3人で番組をやっていたし)いるようなところが鼻について、ちょっと苦手だったのだが…。

 しかし、どんな取り上げ方をしても、一歩間違えば下世話になりがちな「性」の話題を、嫌みのない程度に品が良く、いたって自然に自分の言葉で意見を話すサーヤはとても好印象。個人的に彼女の見方が思いっきりプラスに変わった。

 そういえば、似たようなコンセプトで昨年10月にNHK総合で放送された「松本人志と世界LOVEジャーナル」にもサーヤは出演しており、その時も「世界のセルフプレジャー事情」を紹介したり、実際にオーディオ・エロティカを体験してみたりと、なかなかいい仕事をしていた。

 放送時、一部では批判的な声もあった「LOVEジャーナル」だったが、試みとして面白かったし、次回を楽しみにしていたのだが、松本人志の今の状況では「次回」などまず無理だろうし、再放送もNGだろう。もはや幻の番組となってしまった。

 ちなみに「はなしちゃお!~性と生の学問~」では「性的同意×動物行動学」をテーマにした回があった。昔からこんな番組が存在して、松ちゃんもしっかり学んでおけば、性加害騒動など起きなかったかもしれない。

 やはり「性」について語る場は必要だよな、と思わせる「はなしちゃお!」。次回のテーマは「性器崇拝×民俗学」と「プライベートゾーン×スポーツジェンダー学」の2本で、2月16日22時30分からの放送予定だ。

(堀江南)

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