昨年12月に米シアトルのトレーニング施設「ドライブライン」を訪問し、新打撃フォームを身につけたことが奏功。今春キャンプでの好調ぶりが伝えられる阪神・佐藤輝明だが、球団OBからは、
「確かに打撃はよくなっているが、根本的なことがわかっていない」
とダメ出しされている。何をわかっていないのか。
「一番の問題は、打撃に対する考え方ですよ。入団以来、一貫して何でもかんでも振りにいっている。しかも、全部がマン振り。フルスイングです。当たれば飛ぶんだから、そこまでする必要はない。もう少し状況に応じた打撃をするとか考えた方がいい」
在阪スポーツ紙遊軍記者も、不安要素を指摘する。
「とにかく飛距離にこだわりすぎです。スタンドギリギリの一発でも130メートル級の特大弾でも、同じホームランに変わりはない。ただ、サトテル本人はそこにこだわっている。相手投手はそこにつけいるスキがあると思いますね」
加えて、調子に乗りやすい性格面、周囲の環境を心配する人も多い。遊軍記者が続ける。
「関西マスコミの報道姿勢もいけないでしょうが、将来のミスタータイガースとか言って持ち上げすぎ。しかも、本人もソノ気になっている。岡田彰布監督が目を光らせているからいいですが、これが違う指揮官なら、テングになっても不思議ではない状況です」
先の球団OBも親心から、自重を求めている。
「阪神は超人気球団ゆえ、少しでも活躍すればチヤホヤされる。でも、それに甘んじて潰れた選手は何人もいる。サトテルにはそうなってほしくない」
せめて本塁打王のタイトルでも獲得してから、ということか。
(阿部勝彦)