巨人の抑え候補の大勢が右ふくらはぎを痛め、一時帰京。故障グループに合流して、3軍でリハビリに専念することとなった。
巨人は昨年、救援防御率が3.81で、リーグワースト。6回以降の戦いに不安を残していた。課題は固定できなかった「勝利の方程式」にある。今年もその不安がさっそく露呈しているのだ。
「抑えが決まらないと、勝利への逆算ができません。禁断の一手として阿部慎之助監督はスポーツ紙などに、エース菅野智之を守護神にする可能性について言及しています。対応力に優れた菅野はバッターとの駆け引きができ、プレッシャーに強く、適性はあります。コントロールがいいため、自滅することは考えにくい。ゴロを打たせる球、空振りを奪う球と使い分けることもできる。現状、チームの明暗を握る抑えを任せられる唯一の人間、といっても過言ではありません」(スポーツ紙デスク)
大勢は昨年6月末に、右上肢のコンディション不良で戦線離脱。9月に復帰後も3試合連続失点するなど、本調子でないままシーズンを終えた。
「大勢は独特の投げ方でヒジや肩、脚部に他の選手よりも相当な負担がかかっています。このままケガでプロ人生が終わらなければいいのですが。首脳陣も無理強いはできず、復帰しても今年は休ませながらの登板になるでしょう」(前出・スポーツ紙デスク)
抑えにつなぐ中継ぎは、トレードでオリックスから近藤大亮、ソフトバンクから泉圭輔、阪神からはカイル・ケラーと現役ドラフトの馬場皐輔を獲得。ブルペンの層は確実に厚くなっているだけに、最後の試合を締めるピースがハマれば、救援防御率は劇的に改善しそうだが、はたして…。
(田中実)