2月29日と3月1日に行われた衆院の政治倫理審査会で、首相として初めて出席した岸田文雄首相(自民党総裁)以上に存在感を発揮したのが、二階派(志帥会)事務総長の武田良太元総務相だ。その堂々とした振る舞いが、永田町では「まるで若頭のようだ」(ベテラン秘書)と言われている。
武田氏は2月29日の政倫審で、派閥会長だった二階俊博元幹事長について、
「まぎれもなく、派閥の象徴であります。しかしながら一切、事務・経理等に関わることはなく、象徴として若手の指導等、政務に励んでこられました」
徹底してそう擁護したのだった。
そして党内から驚きの声が上がったのが、立憲民主党・寺田学衆院議員からパーティー券の販売ノルマを聞かれた際の、武田氏の答えだ。
「その年その年で変わっていたと聞いているが、直近では1000枚だ」
パーティー券は1枚2万円であり、2000万円の売上があることになる。先のベテラン秘書は、驚きを隠さない。
「2000万円も売りさばくなんて、とうていできない。すさまじいとしか言いようがない」
その武田氏は終了後、寺田氏に近づいて肩をポンと叩くと、寺田氏は頭を下げた。その様子がX上に流れると「肝の据わり方、堂々とした姿、まさに若頭」という投稿が相次いだ。政倫審出席など、余裕だったのだろう。
(田中紘二/政治ジャーナリスト)