女子ゴルフの明治安田レディスが3月10日、高知県香南市の土佐カントリークラブで開催され、29歳の鈴木愛が通算16アンダーで回って、初日から首位を守る完全優勝を果たした。生涯19勝目で、賞金1800万円を獲得。勝利者インタビューでは、
「30代でも年間女王を目指してやっていきたい。若い選手には負けない。頑張って30勝、永久シードを目指したい」
と笑みをふりまいた。
2017年、2019年の賞金女王だが、最近はモチベーションを上げることに苦労していた。
「ケガや病気もあり、近年は不調に陥った時期もあるなど、思い悩んでいましたね。その間に山下美夢有、岩井明愛、岩井千怜、小祝さくら、櫻井心那、菅沼菜々、吉田優利、稲見萌寧ら若い世代が急伸。存在を脅かされ、一時は『ゴルフを辞めます』と親しい人に伝え、引退を考えていたといいますが、元来の負けず嫌いもあって、復活を遂げました」(ゴルフライター)
これまでの生涯獲得賞金9億円の一部をつぎ込んで契約したスタッフにも恵まれた。
「トレーニング嫌いでしたが、専属コーチに励まされ、オフは筋力アップのためにジムに通い詰めました。3時間ほどのトレーニングを、週3回以上。その成果か、スイングでアドレスからテイクバック、インパクト、フィニッシュ、フォロースルーまで体があまりブレず、安定するようになりました。栄養士やトレーナーからも、メンタル的に支えてもらっていましたよ」(前出・ゴルフライター)
5月9日で三十路に突入する鈴木が3回目の女王返り咲きに向け、のろしを上げた。
(田中実)