会津地方への観光に使われることが多い「会津鉄道」は、知る人ぞ知る「桜路線」。沿線には多くの桜があるが、見どころは「湯野上温泉駅」(写真)だろう。
ホーム沿いに桜が並び、満開時にはピンクのトンネルが誕生する。
湯野上温泉駅は、極めて珍しい茅葺屋根の駅舎。もちろん桜とのコラボレーションが人気で、会津鉄道に乗ってきた客の多くがここで降り、ここでしか見られない景色を味わう。
桜を愛でた後は、湯野上温泉でひと息つきたい。泉質は弱アルカリ単純泉。神経痛や関節痛に効果があるとされる。約30軒の旅館があり、どれも小さく家庭的で静かな雰囲気。多くの宿で日帰り入浴ができる。
周りには江戸時代の宿場が残る「大内宿」や、国の天然記念物に指定されている景勝地「塔のへつり」もあり、観光スポットに事欠かない。足をのばして会津まで行ってもいい。
とはいえ、駅のホームの椅子に腰掛けて、桜と駅舎を見ているだけでも十分満足できる。構内に足湯があり、駅だけでも湯之上温泉を満喫できるのが嬉しい。何度でも訪れたくなる駅だ。
【会津鉄道】
例年の見頃:4月中旬から下旬(写真は4月20日撮影)
桜ポイント:湯之上温泉駅
浅草駅と湯之上温泉駅の往復割引乗車券「浅草往復列車たびきっぷ」(6480円)を販売
(海野久泰)