開幕3日前に激震が走った。巨人は3月26日、新外国人のルーグネッド・オドーア外野手が退団すると発表。ベンチ裏ではチーム関係者が奔走している。球団関係者が解説する。
「26日、巨人は午後1時半から東京ドームで1軍全体練習を行っていました。ところがオドーアが、いつまでたっても姿を見せない。異変に気付いた担当記者たちがすぐさま球団スタッフに問い合わせをすると、歯切れが悪そうに『のちほど対応します』の一点張り。この時点である程度の察しはついていましたが、まさか本当に辞めるなんて。前代未聞ですよ」
球団によると、オドーアが退団を決断する引き金となったのは、開幕1軍メンバーから漏れて2軍調整を命じられたことにある。吉村禎章編成本部長スカウト担当が説明するには、
「しっかりファームで調整してコンディションを上げてくれと話し合ったけど、彼の中では2軍で調整するのは受け入れられない、となった」
アメリカへの帰国を申し出たオドーアは、なにしろオープン戦12試合の出場で打率1割7分6厘、本塁打と打点なし。助っ人野手としては不十分な内容だった。スポーツ紙デスクが言う。
「定位置予定のライトではスライディングキャッチして好守をアピールしていましたが、阿部監督には響かず。メジャー通算178発のプライドが(2軍落ちを)許さなかったのでしょう。就労ビザの都合で来日が2月中旬に延びたことも、不運だったのかもしれない。阿部監督にとっては、いきなり不安材料ができてしまった。渉外担当は今頃、責任を負って吊るし上げを食らっているでしょうね」
オドーアとの契約には「全て1軍出場」の文字はなかったというが、球団創設90周年の出鼻を完全にくじかれた形となったのである。