日本サッカー協会(JFA)が3月26日に北朝鮮の平壌・金日成競技場で予定されていたサッカーW杯アジア2次予選(日本VS北朝鮮戦)が中止になったのは、3月22日だった。
ところが、日本代表が現地入りしているはずだった25日に金正恩朝鮮労働党総書記の妹、金与正党副部長が突如として「岸田文雄首相が可能な限り早い時期に正恩氏と直接、会談したいとの意向を伝えてきた」との談話を発表。
突然のキラーパスに林芳正官房長官は、日本人拉致問題が既に解決されたとする北朝鮮の主張を「受け入れられない」ときっぱり拒絶。岸田首相も翌26日に「コメントひとつひとつに何か申し上げることは控える」と、スルーを決め込んだ。
北朝鮮から岸田総理への、突然のラブコールは何を意味するのか。拉致被害者家族の支援者が言うには、
「過去の麻生太郎政権でも野田佳彦政権でも、支持率が落ちてくると、北朝鮮は総理官邸に接触してきた。裏金問題で支持率を落とす岸田首相に『退陣前、選挙前に外交成果が欲しいだろう』と水面下で持ちかけるつもりだったのが、W杯サッカー予選が中止となり、日本の訪朝団に接触する機会がなくなってしまった。そこであのような形で、揺さぶりをかけてきたのでしょう」
むろん金与正氏の本当のターゲットは、岸田首相ではない。次期アメリカ大統領選に出馬する、共和党のトランプ元大統領だというのだ。国際ジャーナリストが明かす。
「未確認情報ですが、朝鮮労働党は新型コロナが世界的に流行した際、ロシアと中国からのワクチン供与を断ったとされます。ロシア製ワクチン、中国製ワクチンは打ちたくない、ファイザー製をどうにかして手に入れられないか、という金総書記のツルの一声で、共和党やトランプ元大統領に水面下で接触してきたとも。今回、W杯予選を中止したのは、新型コロナに代わり世界で流行中の麻疹が国内に入ってくるのを警戒したためということですが、やはり麻疹流行でも品質が不安定なロシアと中国の治療薬と麻疹ワクチンはもらいたくない。麻疹ワクチンと引き換えに、大統領選挙前のトランプ訪朝を交渉しているとみられます。そこで岸田首相を無視するわけにもいかないでしょうし」
金総書記とトランプ元大統領が揃って暴走…悪い予感しかしないのだが。
(那須優子)