一方、同僚の山本由伸は初登板で初回5失点の炎上デビューとなり、チーム内外に動揺が走った。
「とはいえ、今は首脳陣も『アジャストに時間がかかっているだけ』と、鷹揚に構えています。実際、韓国の球場のマウンドはメジャーに比べて何倍もすべりやすく、後続の投手も大量失点を喫したため、そこまで評価を下げる内容ではなかった」(スポーツ紙デスク)
友成氏も、山本がここから持ち直す要因はいくつもある、と分析する。
「1つは打撃陣が優秀なこと。昨季は1試合平均5.7得点を挙げたので、山本の防御率が3.4台に持ち直せば15勝はできる。3.2台まで下げれば、17勝も可能でしょう。もう1つは、来年、大谷が投手復帰すれば6人ローテが必須なので、エースのカーショー(36)が故障から戻り次第、先発が現行の5人から6人ローテに変わることです」
結果、山本の負担も軽減するわけだ。日本のエースの復調を待ちたい。
ドジャースと開幕戦を戦ったパドレスは、ダルビッシュ有がすでに開幕から2戦で先発。
「年齢を考えれば上出来ですが、サイ・ヤング賞候補となった22年ほどの投球はさすがに期待薄です。ローテを1年守り切り、10勝すれば御の字でしょう。松井裕樹は1年目シーズンに面倒見のいい先輩と同じチームになれたことが最大の幸運。チーム事情的にも、中継ぎからクローザーに格上げされる可能性がある」(在米ライター)
期待値の高さでは、昨年メジャーでのキャリアハイを記録した菊池雄星だ。球界関係者いわく、
「菊池は本当に、注目を浴びるのが苦手な性格。それで栗山英樹監督(62)直々の誘いも蹴って、WBCに不参加だった。唯一カナダ国内に本拠があるブルージェイズはメディアの注目も少なく、のびのび野球ができている」
仮に去年同様に2ケタ勝利をマークすれば、来年以降「4年1億ドル」クラスの契約も見込めるという。
「代理人が悪名高きスコット・ボラスですから、最大限引き上げるでしょう。今の菊池はまさに、ニンジンを目の前にぶら下げられた競走馬。気合いが入るに違いない」(友成氏)