野手で最大の期待を寄せられるのは、カブスの鈴木誠也である。スポーツ紙デスクによれば、
「オフに肉体改造に着手したんです。胸筋や腕回りの仕上がり具合は、現地の同僚選手が『セイヤがヤバい』と驚愕するほどで、オープン戦も絶好調でした」
鈴木と言えば昨季、僅差のプレーオフ争いの最中、勝敗に直結する痛恨の落球を犯したことも。
「結局、成績は悪くなかったですが、WBC無念の辞退とこの落球で、鈴木にとっては満足のいかないシーズンになってしまった。今季にかける思いはひとしおのはず」(スポーツ紙デスク)
カブスには、「投げる哲学者」と呼ばれる今永昇太も加入した。いまだ未知数と言われるが、
「今季、同地区のライバル球団、ブリュワーズから名将・カウンセル監督(53)を引き抜きました。かつての弱小球団を強豪に育て上げた監督だけに、最大の補強と言われています」(友成氏)
名参謀の手で投球にも磨きがかかり、デビューシーズンにいきなり地区優勝となるか。
同様に地区優勝を狙いに行くのは、前田健太がFA移籍したタイガースだ。昨季のア・リーグ中地区は、まだ前田が所属していたツインズが優勝しているが、
「ローテから前田と、エースのグレイ(34)が抜けたので、投手力がガタンと落ちました。その前田は昨季、トミー・ジョン手術からの復帰直後はまったく勝てず、再調整後の6月からは8勝4敗と勝ち越し、防御率もよかった。ア・中地区は全チーム負け越しの可能性もある地区です。前田が昨季後半戦ぐらいの働きを見せれば、他球団には劣らないはず」(友成氏)
最後は東海岸の2チーム。千賀滉大は2年目メッツで名実ともにエースに。
「昨季はナ・リーグ防御率2位。ケガから復帰すれば、全米を驚かせた〝お化けフォーク〟で順当に勝ちを伸ばすと思います」(在米ライター)
上沢直之と同僚になった吉田正尚は高額年俸が評価の妨げになりそうだ。
「オフにトレード要員扱いを受けるという、最大の屈辱を味わった。本人の反発は大きいでしょう。伸びなかった出塁率を4割に乗せることがカギになりそうです」(友成氏)
メッツ3Aの藤浪晋太郎や、FA状態の筒香嘉智のメジャー昇格も気になるところ。13人の侍メジャー選手が味わうのは、果たして天国か地獄か。