はたして本当に来春の開幕日に間に合うのかが疑問視される、2025年の大阪万博。実現すれば国内外からの多くの来場者が期待される中、全国でもうひとつ問題になっているのが、飲食店の価格高騰である。
外国人観光客をターゲットとした「インバウンド価格」と呼ばれ、今年2月に東京・豊洲市場にオープンした施設「千客万来」では、7000円の海鮮丼に騒然となった。
北海道のニセコでは、地元スキー場を訪れる外国人観光客に向けた3000円のカレーや2000円のラーメンが、大きな話題に。
では大阪万博が開催される大阪の価格はどうなっているのか。ミナミ在住のサラリーマンによると、
「ミナミを代表する黒門市場はコロナ前のインバウンド時、エビ1尾3500円、タラバガニ4足3万円と、強気な値段設定にしたことで大炎上したんです。地元の常連客からも『ボッタクリ』と言われて、どんどん客足が離れていきました。その後、コロナ禍に入った頃は、市場は開いていたものの、一度ボッタクリのイメージがついてしまったことで、地元客はほとんど戻りませんでした」
そんな中、少しでも客を呼び寄せようと開催されたのが、500円商品を取り揃えた「ワンコイン市」だ。先のサラリーマンが続ける。
「少しでも活気づけようとして行われたわけですが、すぐに売り切れてしまいましたね。そうなると、大阪人は通常の料金では買わない。その後、インバウンド価格から少しずつ地元向けの価格に戻っていきました。最近はエビ1尾1500円、タラバガニは4足で1万5000円程度と、全盛期の半値くらいです。地元の人間からすればまだまだ高いとは感じますが、他の観光地に比べたらまだ良心的なのでは、と思います。ただ、食べ歩きがしやすい牛串などは、高めの設定。リーズナブルに楽しみたいという人は、市場内のスーパーで買って、インフォメーションのイートインスペースで食べるのがおすすめです」
価格は上がっても、地元民ならではの楽しみ方があるようだ。