この春は長寿番組の終了や、大御所の番組降板が相次いでいる。ざっと思いつくだけでも、2004年10月から続いた「世界一受けたい授業」(日本テレビ系)、1986年4月の開始から38年にわたって放送された「日立 世界・ふしぎ発見!」(TBS系)が3月で終了した。
さらに「サンデーモーニング」(TBS系)は、1987年の放送開始から総合司会を務め、ここ最近はその発言から「老害」のそしりを受けることの多かった関口宏が、3月31日をもって勇退した。
いずれもその裏には、マンネリ化による視聴率の低下や、大御所たちの高額ギャラの問題がある。早い話が、斜陽の一途を辿るテレビ業界で経費削減は必至、となれば、大御所を切るのがてっとり早いから。
視聴者の声としても「ようやく終わった」「もう見ないですむ」と歓迎のものが多く、惜しまれながら終了した「ブラタモリ」(NHK)のタモリに向けられた「もう見られないなんて悲しい」「タモリロス」とは大違いだ。
が、これをもってテレビ業界の新陳代謝が進むということでもなさそうだ。
というのも、4月21日からは関口が司会の新番組、その名もズバリ「関口宏のこの先どうなる!?」がBS-TBSでスタート。
「世界一受けたい授業」で校長先生(=総合司会)の任にあった堺正章も、4月1日の「ぽかぽか」(フジテレビ系)、4月2日の「路線バスで寄り道の旅」(テレビ朝日系)に出演。「ぽかぽか」では、テーブルクロス引きを披露し、「ミスターかくし芸」の面目躍如だった。トークでも「堺の怒りに触れると消される」という芸能界の噂を恐れるハライチ澤部佑に、「今まで消した人は3人しかいない」と、ジョークともとれないジョークを放ち、震え上がらせていた。そういえば3月には、9年ぶりに地上波放送の「THEわれめDEポン」にも出演していたっけ。
はたして、これが大御所たちの最後の荒稼ぎなのか、はたまた老害と言われようがなんだろうが、辞める気はないということか。
結局のところ、彼らを使いたい局や企業がある限り、芸能界の新陳代謝は容易に進まないということか。
(堀江南)