似たような悲劇が日本中で起きていても不思議ではない。
銀行詐欺などの容疑で米国の連邦地裁から訴追された、MLBドジャース大谷翔平の元通訳・水原一平被告。日本時間の5月9日、水原被告は検察と司法取引が成立したと米司法省が発表したが、その新たな資料の中でさらなる悪事が発覚した。
その悪事とは昨年9月のこと。水原被告は歯の治療費として大谷から6万ドル(約930万円)の支払いを了承されたものの、受け取った小切手を個人用に使用。なんと歯の治療費は大谷のデビットカードで支払っていたという驚きの手口だった。
「違法賭博スキャンダル発覚直後こそ、水原被告への再起エールを送る日本人は少なくありませんでした。ですが、今は皆無ですね。とにかく、出るわ出るわの悪事のオンパレード。その素顔は、まるで大谷選手に巣食う寄生虫そのものだったということ。今回も歯の治療代まで大谷選手に無心していたのかと、あきれ果てる声ばかりです。司法取引により3分の1ぐらいに減刑される可能性も高いとのことですが、一時は大谷選手から盗んだ約26億円の全額返済、懲役最大33年という派手な報道もありましたからね。もはや日本の恥と言っても過言ではない」(週刊誌ライター)
確かに、水原被告の報道があるたびに新たな悪事が発覚していく…。実はそんな状況を半ば涙目で見つめる、S県のとある中学1年生男子の母親がいた。
「3月の小学校卒業にちなんで『将来の夢』というテーマで発表がありました。うちの息子は、自分はスポーツは苦手だけど頑張って英語を勉強して、大谷選手を支える水原一平さんのような通訳になりたいと話しました。発表すると拍手をもらい本人も喜んでいました。卒業アルバムにもそう載りましたから…。でも、その直後にあの逮捕です。もう目の前が真っ暗というか、息子の落ち込みも激しくて本当に可哀想で。今、通っている中学は地元の公立で小学校時代の知り合いも多いんです。それもあって、水原一平のようになりたいと話したことをからかわれるようですし、他の保護者でさえ、水原一平になりたかった子? みたいなことを言われると聞きました。まさか息子の夢が一生の汚点のようになってしまって、本当に悔しいんです」
先日、大谷の成功を描いた絵本「野球しようぜ!大谷翔平ものがたり」の初版で描かれていた水原被告の人物画が、重版分からは削除されたことも話題となった。とはいえ本では消せても、将来の夢で語った水原被告の名前は消えないどころか、ずっと少年の心に傷として残ることになる。
大谷だけでなく、もしも2人の姿に夢を見た大勢の子供たちを裏切っているとしたら、「悪事のデパート」水原被告の罪はとてつもなく大きい。
(飯野さつき)