6月20日告示の東京都知事選(7月7日投開票)をめぐり、自民党が独自候補の擁立を見送る方向で調整に入った。これを受けて、作家の百田尚樹氏が代表を務める日本保守党内からは、同党法律顧問で弁護士の北村晴男氏の立候補を求める声が出ている。
北村氏ならば知名度があり、3選を目指して出馬するとの見方が強い小池百合子知事と互角に戦え、党の知名度を上げることにもつながるというわけだ。
北村氏は日本保守党について「『もうダメだ』という多くの国民の思いを受け止めてくれる保守中道の受け皿になるような政党ができた」と期待感を表明している。4月28日投開票の衆院東京15区補欠選挙では、同党から立候補した飯山陽氏の応援演説を行った。北村氏の演説については百田氏も自身のXで〈(北村氏の)魂の応援演説は本当に凄かったです〉と絶賛していた。
北村氏の動向とともに注視されるのが、広島県安芸高田市の石丸伸二市長だ。41歳の石丸氏は5月10日の記者会見で、任期満了に伴う7月の市長選に出馬しない意向を表明するとともに、都知事選への立候補を問われると「前向きに検討する」と意欲を示した。
石丸氏は市議会やメディアと真っ向から対立する模様をYouTubeで流し、今や登録者数が25万人超。市によると、全国の自治体で最多となっている。
都知事選は知名度の高い候補者が当選する確率が高いが、北村氏や石丸氏が立候補すれば、当初は安泰といわれた小池氏にとっては、大きな脅威になるだろう。
(田中紘二/政治ジャーナリスト)