5月19日のオークス(GI・東京・芝2400メートル)は、人気馬が強いレースだ。過去10年で1番人気が6勝、2番人気は1勝、そして3番人気が3勝している。連軸を選ぶなら、上位人気馬にすべきだろう。
ただしこの5年を見ると、2着、3着には2ケタ人気馬が入って、3連馬券は全て万馬券になっている。美味しい馬券を獲りたいのなら、人気薄の馬を絡めるべきだろう。ちなみに穴を開けた5頭中、4頭は関西馬だった。
では今回のオークスではどうか。穴馬を3頭、挙げてみたい。
9番枠のラヴァンダ(栗東・中村厩舎)は前走フローラS(GⅡ)で2着に入り、優先出走権を獲得した。10キロ減っていた馬体重は気になったが、5月16日に発表された調教後の馬体重は480キロで、前走よりも14キロ増。前走は東京への輸送で減ったが、回復したようだ。
大飛びの走りは間違いなく東京向きで、前走で距離のメドが立ったのは心強い。岩田望来騎乗で〈1・1・1・0〉と、騎手との相性の良さも抜群。馬券を外したのは、直線で不利があった2走前のチューリップ賞(GⅡ)だけで、走りは手堅い。人気はまるでないだろうが、怖い1頭だろう。
2頭目に推奨するのは、15番枠のサフィラ(栗東・池添厩舎)だ。朝日杯フューチュティS(GⅠ)を勝ってダービー(GⅠ)でも2着に入った、あのサリオスの全妹。半姉サラキアも府中牝馬S(GⅡ)を勝ち、有馬記念(GⅠ)でも2着した名牝である。血統の良さでは出走馬中、最高と言っていい。
これまで馬体重が減り続けていたが、調教後は454キロで、前走時から22キロ増。新馬戦当時に戻った形だ。昨秋のアルテミスS(GⅢ)では、今回人気を集めているチェルヴィニアの2着したように、地力があるのは間違いない。デビューから5戦連続して騎乗している松山弘平の腕前にも期待大だ。
関東馬だが、5番枠に入ったコガネノソラ(美浦・菊沢厩舎)も挙げておきたい。現在3連勝中の上がり馬で、父ゴールドシップ×母父ロージズインメイの配合は、3年前にこのレースを勝ったユーバーレーベンと同じ。
東京は2戦2勝と好相性で、その内容も逃げ、差しと、位置取りを問わない。中2週だけに仕上がりが気になるところだが、ウッドで5F66秒6―11秒4の好時計を馬なりで出し、好調そのもの。騎手が地味な石川裕紀人ということで人気はさほどないが、今の勢いを信じたい。
では、グッドラック!
(兜志郎/競馬ライター)