桜花賞、皐月賞と牡牝クラシック第一弾が終わり、開催は東京、京都に移る。
4週続いたGⅠ戦も小休止。東京ではオークストライアルのGⅡサンスポ賞フローラSが行われる。
4年ほどフルゲート(18頭)割れの競馬が続いているが、今年はどうだろう。桜花賞組が挑んでくるかがフルゲートのカギとなるが、ハナからマイルの適性がなく長距離向きと判断された馬は、桜花賞をパスしてオークスに的を絞って全力を傾けてくる。
ここは桜花賞に出走した馬たちに比べると見劣りするが、いかにもオークスでこそ、と思える素質馬も多い。つまり、桜花賞組とも互角に渡り合えるであろう馬を見つけるのが、馬券のポイントだ。
とはいえ、キャリアの浅い馬が多いだけに、本命馬をあぶり出すのは簡単ではない。まずは過去のデータを見てみよう。
03年に馬単が導入されて以降、これまでの21年間、その馬単による万馬券は8回(馬連は6回)。この間、1番人気馬は6勝(2着3回)、2番人気馬は3勝(2着5回)。1、2番人気馬でのワンツー決着は4回のみだ。
近5年を見ても1、2番人気で勝利を収めた馬はおらず、3年前は5番人気→14番人気という大波乱もあった。出走各馬の能力をつかみ切れないが故だろう。
それに、東京の芝2000メートルは枠順も重要となる。流れが速くなれば外枠の馬でもしまいの脚を生かして勝ち負けになるケースもあるが、脚質のいかんにかかわらず、真ん中より内めの枠を引いた馬が有利で、よく連に絡んでいる。そのあたりもしっかり頭に入れておくべきだろう。
その枠順が発表される前でもあり難解だが、最も期待を寄せてみたいのは、人気薄のラヴァンダだ。
キャリア5戦と豊富で、使われるたびに地力強化してきている。前走のチューリップ賞は7着に敗れたものの、勝負どころで他馬に寄られて進路が狭くなる不利があり、スムーズなら、と惜しまれる競馬だった。
が、桜花賞の切符を得られなかったのは、逆によかったのかもしれない。本質的にはマイラーではなく、距離が延びていいタイプだからだ。
前走後は短期放牧でリフレッシュ。ここを目標に乗り込み量も豊富で、中間の稽古内容もよかった。
「また一段とたくましくなった。動きも滑らかで軽快。いい雰囲気に仕上がっている」と、厩舎関係者が口をそろえるほどだ。
母系にベーカバド(パリ大賞典)×コマンダーインチーフ(英・愛ダービー)×チーフズクラウン(GⅠ8勝)とスタミナのある種牡馬が交配されており、距離が延びてこその馬。欧米の一流牝系の血筋であり、血統的背景からも東京の芝2000メートルの舞台は合っているはずで、良馬場ならチャンスは十分とみた。
逆転候補に挙げたいのは、ユキワリザクラだ。未勝利を勝ち上がったばかりだが、先行してしぶといタイプ。サトノダイヤモンド(菊花賞、有馬記念)産駒で、こちらも距離が延びていいタイプである。
母系も優秀で近親、一族にゼンノエルシド(マイルCS)など活躍馬がズラリといる良血。オークスに出走させたい素質馬だ。 西のメイン、マイラーズCは、ノースザワールドに期待する。
ここにきて充実ぶりが目立ち、末脚に鋭さが加わった。この中間も順調そのもの。京都は初めてになるが問題はない。