コロナ禍で右往左往しているうちに、あっという間にクラシック第一弾、桜花賞を迎えることになった。
気分がスッキリと晴れるまではいかないが、とにもかくにも競馬は粛々と続けられている。であるなら、その醍醐味を味わうだけでなく、馬券をバッチリと的中させてスカッとしたいものだ。
フルゲート(18頭)になることが多い、このGI戦。簡単に人気どおりでは決まらないものの、大きく荒れることは少ない。
馬単導入後、これまでの18年間、その馬単での万馬券は4回(馬連は2回)。この間、1番人気馬は4勝(2着6回)、2番人気馬は7勝(2着4回)。1、2番人気馬によるワンツー決着が6回あり、堅いか、そうでないかが極端なGI戦と言えるだろう。
まずは今年の顔ぶれを見てみる。アカイトリノムスメ、エリザベスタワー、サトノレイナス、シゲルピンクルビー、ソダシ、ファインルージュ、メイケイエールあたりが人気を背負うことになるだろう。
とはいえ、昨年のデアリングタクト(無敗の三冠牝馬)のような圧倒的な存在の馬は見当たらない。力が確かな馬が多く、ハイレベルで拮抗した争い。しかも伏兵視されている馬も多彩で、とにかく百花繚乱。どう転ぶか予断を許さない女の戦いと言っていい。
格上で安定感があるということでは、2歳女王決定戦である阪神JFの1、2着馬、ソダシとサトノレイナスということになるか。ともに陣営は、この本番に備えて万全の臨戦態勢を強調しており、1週前の追い切りは実によかった。
しかし2頭とも阪神JF以来、4カ月ぶりの実戦。ハナからここ一本という仕上げはわかるが、実戦から遠ざかっているのが、どう出るか。狙うほうとしては一抹の不安が残る。
むろん、間隔をあけて挑み、勝ち負けした馬は、18年アーモンドアイや19年グランアレグリアなど、過去にいくらでもいる。能力が高ければ、よりそうだ。
ただ「百回の調教より、一回の実戦」という格言もあり、全幅の信頼は寄せきれない。ましてや混戦模様だけに、順調に使われている馬に目をつけるのが筋だろう。
穴党として最も期待を寄せてみたいのは、ストライプだ。こちらも少し間隔があいているが、前述した有力馬2頭に比べれば半分の2カ月。何はともあれ、一つの成長期のただ中、今年に入って使われているのがよく、1月末のクロッカスSをきっちりモノにしたのは評価したい。
この時の勝利で桜花賞の出走権を得たわけだが、とにもかくにも本番に向けての調整が陣営の思いどおりに進められている。
「いったんリフレッシュさせ、しっかりと乗り込んできた。もともと勝ち気な馬だが、体がそれについてきた。心身ともたくましくなって実にいい雰囲気」と、尾形調教師をはじめ、厩舎関係者は口をそろえている。1週前の追い切りもパワフルで伸びやか。文句なしだった。ならば強敵相手でもやれていい。
前々走の京王杯2歳Sで牡馬相手にクビ、クビ、アタマ差の4着と大接戦を演じた時に同馬の高い能力を確信したが、クラシックを勝っていい血統(母系)でもある。近親、一族に活躍馬が多く、5代母ソリテュードは仏3歳女王(仏1000ギニーなどGI3勝)。名種牡馬ノーザンテーストの4×3の近親配合(奇跡の血量)馬であるのも底力が感じられ、魅力である。
マイル戦に実績はないが、ルーラーシップ×カーネギー(凱旋門賞)という種牡馬配合。距離の問題などあろうはずはなく、大きく狙ってみたい。