メジャーリーグのドジャースは5月17日、飲料メーカーのヤクルトと複数年のパートナーシップ契約を結んだと発表した。大谷翔平と山本由伸が入団して以降、全日本空輸(ANA)やTOYOTIREなど、日本企業が相次いでドジャースとパートナー契約を結んでいるが、日本のプロ野球で球団を持っている会社は、今回のヤクルトが初。在京スポーツ紙デスクは、
「ヤクルトがスワローズを経営する理由が、本社的にもだんだんと薄れており、いろいろと憶測を呼ぶかもしれない」
この契約により、ヤクルトは外野フェンスや左翼スタンド上部などに広告を出す。ヤクルトの2023年度の売り上げは国内が48.7%で、「ポテンシャルが高い」とする海外での販売に力を入れている。中国での売り上げに翳りが見えている中、アメリカについては5月14日の決算説明会で「南西部6州での深堀りを進めていく」としており、ロサンゼルスに本拠地を置くドジャースへの広告展開は、営業的にも理にかなっている。
そこで焦点となるのが、ヤクルトがスワローズを経営していく理由だ。「ヤクルト1000」シリーズが大ヒットしたことで、国内での売り上げは好調だが、スワローズ効果はない。一方で、国内的に大谷CM効果は期待できるところで、テレビ中継を通じ、ドジャースタジアムの看板広告を見る日本人は多い。その効果を上げるため、
「『ヤクルト=野球=大谷』というつながりを、より強固にする流れが出てくるかもしれない」
と前出のスポーツ紙デスクは言う。
ヤクルトの高津臣吾監督は、今季で契約が切れる。来季の監督には、OBながら球団と疎遠ではあるものの、大谷とつながりが深い栗山英樹氏が有力候補となる。また、球団の顔である村上宗隆を「大谷の弟子」としてPR。アメリカ西海岸球団への早期移籍も視野に入る。
(健田ミナミ)