開幕から40試合を消化した時点で勝率5割に届かないDeNAをめぐって、大魔神・佐々木主浩氏の監督就任を後押しする動きが、OBを中心に出始めている。スポーツ紙遊軍記者が次のように明かす。
「今永昇太がメジャーに移籍し、バウアーが退団したチーム状況を考えれば、三浦大輔監督は健闘しています。クライマックスシリーズにいけばいいですが、もしBクラスでシーズン終了となれば、進退問題が取り沙汰されることになる。その場合、佐々木監督誕生の可能性が出てくるでしょう。生え抜きのOBで、年齢的なことを考えれば、三浦監督よりも先に監督になっていてもおかしくない人物ですからね」
ただ、佐々木氏の場合、引退後に指導者としてユニフォームを着た経験はなく、現在は競走馬のオーナーとしての知名度が高くなっている状態だ。そのため、球団内には指導力を疑問視する声が多く、これまで監督就任オファーはなかったとされている。だが、背に腹は代えられない状況にあるのだと、球団OBは言うのだ。
「ハマの番長も人気があるが、なんといってもハマの大魔神は別格。営業面でもさらなるプラスが見込める。それに三浦監督を、ボロボロの状態で交代させるわけにはいかないでしょう。変な形でユニフォームを脱ぐごとになれば、ファンは黙っていない。時機を見て三浦監督を再登板させることも含め、大魔神監督がベターな選択ではないか」
とはいえ、それでチームが優勝できるか、は別問題だ。さらに佐々木氏は球界内での人脈は豊富とはいえず、親しい人物の筆頭に挙がるのは、あの清原和博氏か。組閣にひと苦労する可能性は残る。
「監督経験がないだけに、百戦錬磨の参謀が必要となりますが、今のところ適役が見当たらない。監督だけ交代させてチームが激変するほど、野球は甘くないですよ」(前出・遊軍記者)
ペナントレースはまだまだ残っており、DeNAが勝ち抜く可能性は十分にある。「大魔神監督」待望論が本格化するのは、いよいよチームが傾いてきた時かもしれない。
(阿部勝彦)