「週刊少年ジャンプ」が新たな漫画賞「ジャンプスポーツ漫画賞」を新設するにあたり、ドジャースの大谷翔平が審査員として加わるサプライズ発表をしたばかりだが、早くもあれこれと新漫画賞について議論が始まっている。
5月27日、「週刊少年ジャンプ」の発行元である集英社からの発表だったわけだが、現状、思ったより反応が薄かった野球ファンと比べ、漫画ファンからの反応は大きかった。自身もスポーツ好きだというコミック編集者の見解は、
「リアルなプレーを好む野球ファン=スポーツ漫画ファンという図式は必ずしも成り立ちませんから、今回、集英社が審査員に大谷の名前を借りたのは、新漫画賞を盛り上げる話題作りの面が大きいでしょう」
審査員には、大谷も大ファンだという「SLAM DUNK」の井上雄彦氏、さらには「アイシールド21」原作の稲垣理一郎氏、「黒子のバスケ」の藤巻忠俊氏といった豪華な面々が揃い、そこに大谷が名を連ねることになる。「週刊少年ジャンプ」の漫画賞ともなれば、応募は1000作品を超えると予想されているが、その作品すべてに審査員が目を通せるわけもなく、編集部のスタッフがあらかじめ数十点の作品まで絞り、その後、審査員が目を通す流れになるという。
前出のコミック編集者は、
「実際に大谷選手が候補作に目を通すのは、11月下旬あたりになるのでは」
と言うが、どういった作品が「特別審査員」大谷の目に留まるのかが重要だという。コミック編集者が続ける。
「すでにあれこれ推察されていますが、大谷選手を審査員に入れた以上、彼の意見を無視することは絶対にできないと思います。もしもジャンプ側の上位希望から外れた作品を彼が選んだ場合には、『大谷翔平特別賞』という賞を作るのではないかと話している人すらいますね。そして、あえて大谷審査員に寄せて作品を描くとしたら、まずはバスケ漫画でしょう。『SLAM DUNK』の大ファンということもありますが、Bリーグもファイナルはトレンド1位になるほど盛り上がりましたし、なんといっても真美子夫人が女子バスケ元日本代表ですからね。その熱さを知っているという意味で、有力候補です。ただし、そのテッペンに『SLAM DUNK』や『黒子のバスケ』がありますから、相当のクオリティが求められるでしょう。その次に、野球です。これは大谷が自分自身と重ね合わせられますから、メジャーを題材にしても、高校野球などのアマチュアを取り上げても、いい作品なら目に留まるでしょう」
バスケと野球は、大谷自身が楽しめるという意味でも確かに有力だが、もう一つ、「大穴」として狙うべきスポーツがあった。
「コミックとしてなかなか成功した例はないのですが、ラグビーですね。一瞬、大谷と無関係と思われるかもしれませんが、大ありです。なにしろ真美子夫人の兄の田中真一は現役のプロラグビー選手(リコーブラックラムズ東京)ですし、実はバスケ選手時代の真美子夫人が最も好きだったアスリートは、15人制ラグビーのオーストラリア代表、ジェームズ・オコナーというイケメン選手でした。大谷選手との結婚が話題になった時、同時にオコナーが日本のトレンド上位にランクされるほど、真美子夫人は大ファンだったようです」
今回の新漫画賞に応募しようという人は、普段はなかなか取り上げられないラグビーをテーマに描いてみると、意外や意外、大谷審査員のお眼鏡にかなうかもしれない。
(飯野さつき)