2011年は、未曽有の大震災によって、これまでの価値観が大転換を迫られた1年だった。が、そんな中でも絶対に見過ごせなかった有名男女の「醜聞」、大組織の「腐敗」がある。本誌は、今だから言える、事の深層を知るキーマンたちを総直撃。「汚れたヤツら」を斬りまくってもらった!
11年8月、「過去に暴力団と交際した」と会見を開き、突如、芸能界から引退した島田紳助( 58 )。芸能界のドンとしてやりたい放題だった紳助の行状にメディアの追及はいまだ続いている。元山口組顧問弁護士で、作家の山之内幸夫氏が紳助引退を分析する。
「ヤクザというのは芸能人とつきあう時、物凄く気を遣うんです。お茶を飲んだり、食事をするのも人目につかないよう場所を選ぶ。ましてや紳助氏のような大物になると、一緒になって悪いことをしたり、食い物にしてしまうようなことは絶対にしません。それだけに、交際の事実があったというだけで、どうして引退するのか。そんなことする必要はありませんでしたね」
ヤクザの生態については誰よりも詳しい山之内弁護士が、まずはこう語る。山之内弁護士が信頼できる筋から聞いた話によると、
「大阪府警がこの件で紳助氏をマークしたり、内偵したということはなかったと聞いています。ということは、山口組の名前を出してビジネスをしていなかったということです。では、どうしてこんなにヒステリックにメディアも世間も騒ぐのか。それは紳助氏があれだけの才能、芸能界での地位、全てをなげうって、引退するからには、それに見合うとんでもないことをやっていたのではないか。そう考えないと、ツジツマが合わないと誰もが考えたからです」
今、福岡など、地方では発砲事件や爆弾事件を起こすなど、暴力団の犯罪があらためて社会問題化しているが、東京、大阪はことのほか警察権力が強い。
「今や、ヤクザは社会人として認知しないという社会情勢です。ゴルフはできない。車のローンも組めない。おまけに不動産も買えない。確かに、日本には結社を禁じる法律はありません。しかしそういうふうにヤクザを追い込んでいくと、いずれヤクザであることを隠す欧米のマフィアと同様の社会にならざるをえない」
そうした社会の空気を紳助も知っていただけに、山口組を利用してビジネスを行うような「冒険」はしないというのだ。
確かに、山口組との関係を利用してビジネスをやっていたと指摘したメディアを紳助が名誉毀損で訴える騒ぎもあった。
ただ、本誌既報のように、かつて紳助は、自宅近隣の地元住民に自分のケツモチ(後ろ盾)が、山口組直系組織の「極心連合会やぞ!」と言ってスゴんだのも事実だ。その点はどうか。
「虎の威を借るということですか? それはね、紳助氏本人の生まれ持った資質の問題だと思いますね」
結局、紳助事件は、何だったのか。
「単なる条例がこれほど注目されたことはありません。暴力団排除条例はヤクザと交遊のあった市民にも罰則規定があるというのですから、驚きです。結局、紳助氏はそんな、暴排条例のスケープゴートにされてしまった、ということでしょう」
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