5月30日放送の「ひるおび」(TBS系)で、政治ジャーナリストの田崎史郎氏がつぶやいた「それが…まだ来てない」というひと言。これはいったい、何だったのか。
発端は5月27日、立憲民主党の蓮舫氏が7月7日に投開票される東京都知事選への立候補を表明した日に遡る。
立憲民主党本部で会見を開いた蓮舫氏は、
「政治と金の自民党。自民党政治の延命に力を貸す小池都政をリセットする」
と威勢よく語り、小池都知事への対決姿勢を示した。
すると同日「情報ライブ ミヤネ屋」(日本テレビ系)に出演した田崎氏が早速コメント。
「蓮舫さんの攻撃性を都民がどう判断するか。引いちゃう人もいるかも」
さらに「Live News イット!」(フジテレビ系)では、
「蓮舫さん、はたして何をやりたいんですか。都政に国政を持ち込みたいんですか、と。じゃなくて、都政をどうするか、と語ってほしいわけです」
立て続けに蓮舫氏を牽制した形だ。
一連の田崎氏の発言に対し、蓮舫氏は細い首にスジを立てたのか、自身のXから即座にメッセージを発信した。
〈田崎史郎さん、「都政をどうするか」を私の公約と共に日を改めて発表します。今日の会見でも言いました。その前に、いつでも取材を受けます。10年以上前は私の会館に来られて話を聞いておられましたが、最近では何も聞かず番組で語られている姿、残念です〉
チクリと田崎氏を口撃したのだった。
翌28日にも、2人のバトルは繰り広げられる。
「ひるおび」(TBS系)に出演した田崎氏は、前日の蓮舫氏の投稿にカチンときたのか、
「これ(X)を見て、事務所に電話を7回した。いつでも取材を受けるというのなら、連絡を取れる体制にしておいてほしい。蓮舫議員の周りの人には取材して、コメントしているんです。『取材していない』と言われるのは心外」
この反論に、蓮舫氏が再びXで答える。
〈田崎史郎さん。会館の電話ではなく私の携帯に直接どうぞ〉
翌29日、田崎氏は再び「ひるおび」で開口一番、苦笑いでこう吠えた。
「携帯電話の番号を教えていただいてない。今日、議員会館で携帯番号を教えていただけるよう秘書の方にお願いしたら、『本人の携帯なので本人に伝えます』と言われた。だったら、携帯に電話してくれと言わないでほしい」
ここで、政治記者の解説を聞こう。
「一方は出演番組で語り、もう一方はXから発信する。時代がクロスオーバーしたかのようなやり取りですが、なかなか進展しなかった状況に変化が見られたのは、29日の田崎氏の『ひるおび』出演直後だったようです。読売テレビに移動した田崎氏に、蓮舫氏の側近議員から着信があったというのです」
そして30日、「ひるおび」に出演した田崎氏が、その詳細を明かす。
「(側近の議員から)いきなり『蓮舫と替わります』と言われ、そこで蓮舫さんと話して、自分が取材していないように言われるのがいちばん嫌、ということについてわかっていただいたんで…」
どうやら表面上は和解したというのだが、その際に田崎氏が改めて携帯電話番号を教えてもらうようお願いしたところ、「あとでショートメールで連絡します」と蓮舫氏に言われたというのだ。
ここでようやくタネ明かしとなるが、冒頭の田崎氏のつぶやきは、このショートメールに対するものだったのである。番組MCの恵俊彰が、
「蓮舫さん、連絡取る気ないんじゃないですか」
と茶化すが、田崎氏は、
「そうとは思わない。かなりお忙しいんだとは思います」
と蓮舫氏を庇った。和解はしたが、和解条件は満たさず…。前出の政治記者は、その理由をこう分析する。
「蓮舫氏が忙しいのは事実でしょう。ただ、政治的には蓮舫アンチである田崎氏の意図はわかっていますから、質問されるであろう内容への対策を練っている可能性はあります。ざっくばらんに話せばいいことなら、電話を切った直後にでも、秘書か側近が蓮舫氏の番号を田崎氏に伝えればいいだけですからね」
さて、蓮舫氏の携帯番号が田崎氏に伝えられるのは、いつになるのか。
(石見剣)