それは5月3日夜のこと。テレビをザッピングしていたところ、思わずリモコンを押す手が止まってしまった。
「薄着になる夏に向けて、巷に広がる噂のダイエット法がどれだけ本当の話なのかを検証!」
番組冒頭のそんなナレーションの後に、ダイジェスト映像が流れる。そこに映ったのは「高カカオチョコレートを一口食べるだけで太らない!?」のテロップともに、どこか見慣れたソファが置かれた一室が登場。ちょっとチープな板チョコのイラストがプリントされたTシャツを着たチャンカワイ(Wエンジン)がチョコを食べた後にハイカロリーな料理を食べ、さらに体重を計って「嘘でしょ!」と驚く姿があった。
さらにその後も「ブルブルマシンに乗るだけで体にどんな変化が起こる?」の検証で、立派な洋ナシ体型を披露する餅田コシヒカリ(駆け抜けて軽トラ)や、「お米とパン、どちらの方が太りづらい?双子を使って解き明かす」の検証では、ザ・たっちのたくやとかずやの姿が…。
そう、これはまさに、今年3月に惜しまれながら終了した「それって!?実際どうなの課」(日本テレビ系)の人気企画の数々ではないか!
以前に本サイトで書いた通り(2023年11月27日公開)、筆者はこの番組のかなりのファンだ。早くも復活してくれたことに嬉々としたが、それ以上に大きな疑問が浮かんだ。「なんでTBSでやってんだ?」と。
何かの見間違いかと、再度ザッピングしてみるも、やはりテレビのチャンネル表示はTBS。すると「巷のウワサ大検証!それって実際どうなの会 夏直前!体重増減の噂SP」のテロップとナレーションが。
その後、「どうなの課」でMCだった生瀬勝久が、
「さあ、始まりました。巷のウワサ大検証、それって実際どうなの…会。会長の生瀬です」
と歯切れ悪く挨拶し、番組の趣旨を説明。
「今、ここまでご覧になって、ザワついてると思います」
こちらの気持ちを見透かしたように言うのだが、なんでTBSでやっているのかの説明は一切なし。あくまでも新しい検証番組が始まったテイで進行していった。
「どうなの課、じゃなくて、どうなの会?」と、狐につままれた気持ちだったが、過去に「どうなの課」でチャンカワイの検証の際に調理を担当していたフードコーディネーターの松山さんが、今回も参加していることがわかる。しかも検証最終日の夕食に、チャンが番組内で再三にわたって絶賛していた、松山さんのメンチカツが登場。
「まさかこんな早く出会えるとはね…凄いことが起こってんだよ、本当は。それをずっと噛みしめてたんだけど。このメンチカツに出会っちゃうとね…泣けてくる」
涙目で語りながらメンチを頬張るチャンを見ながら、こちらも思わずもらい泣きした。細かいことは抜きにして、最後まで楽しく見たことは言うまでもない。
今回のケースのように、同じフォーマットの番組で放送局が変更になったものとしては、制作局の朝日放送がネットチェンジしたことに伴って、「必殺シリーズ」がTBS系列からNET(現・テレビ朝日)系列に、というケースが。
あるいは「東野・岡村の旅猿 プライベートでごめんなさい…」(日本テレビ系)は、初回のみ「東野・岡村のプライベートでごめんなさい…」のタイトルでTBS系で放送され、第2回からは日本テレビに移行している。
はたして裏でどんな事情があったかはわからないが、本来、同時間帯で放送されている「ジョンソン」などは、開始早々から打ち切りの噂が絶えない。さっさと終了させて、この「どうなの会」をレギュラーにしてくれた方が、よっぽどいい。
ただ、今回の放送では、スタジオには生瀬のほかに、満島真之介、大島美幸(森三中)、かなで(3時のヒロイン)らがいた。「どうなの課」から引き続きの出演は、生瀬と大島だけ。博多華丸・大吉の2人と森川葵の姿はなかった。
VTRを見てちょろっと感想を言うだけの華丸・大吉はどうでもいいとして、なによりも、番組の挑戦企画でいくつもの偉業を達成し、「ワイルドスピード森川」と畏怖された森川がいないとは、残念でならない。
チャンカワイやザ・たっちの検証物、狩野英孝の「激狭駐車場チャレンジ」はもちろん楽しいのだが、「どうなの課=ワイルドスピード森川」という私のようなファンのためにもぜひ、次の機会には森川の挑戦企画も復活を…と切に願う。
(堀江南)