中日の育成選手、岩嵜翔の支配下復帰が決定した。正式な球団発表はまだだが、岩嵜は今季2軍戦16試合にリリーフ登板し、防御率は1.80。立浪和義監督にとっては、勝ちパターンで使えるセットアッパーが増えた、というところだろう。
「今の岩嵜は150キロ台半ばの直球をガンガン投げ込んでおり、20代の頃に戻ったみたい。体重が10キロ増えて、逞しくなった感じです」(名古屋在住記者)
今季、中日の育成選手が支配下登録されるのは、これで4人目となる。支配下登録の残りは1枠となった。名古屋在住記者が続ける。
「シーズンはまだ前半戦の途中です。ペナントレースは長いので、この先、何が起きるかわかりません。主力選手のケガに伴う緊急補強が必要となった場合、どうなるのか。支配下の登録人数枠が減るのは怖いことでもあります」
今回の岩嵜の昇格については、こんな情報も聞かれた。
「本当は、一気に2人を昇格させるつもりでした。でも、ケガ人が出た場合に対応できなくなるのが怖いので、2人の投手を天秤にかけ、岩嵜が選ばれました」(球団関係者)
中日の育成選手で「支配下昇格(復帰)は時間の問題」と言われていたのは4人。今回の岩嵜と松木平優太、岡田俊哉、近藤廉だ。
「松木平と岡田は、先発で調整しています。中日の先発陣は人材豊富なので、岩嵜と近藤が先に支配下登録されるとみられていました」(前出・名古屋在住記者)
さらに言えば、「岩嵜よりも近藤が先」の声が出ていた。近藤は左投手であり、「左は何人いても困らない」と考える指揮官は多い。岩嵜はプロ17年目。立浪監督は25歳の近藤よりも、岩嵜のキャリアを買ったのだろう。
「近藤というと昨年8月、1イニング10失点、3アウトを取るのに62球を要する大炎上劇が思い出されます。試合後、立浪監督は『リリーフ投手を無駄に使いたくなかった』と言いましたが、ファンは『近藤がかわいそう』と猛抗議した。チーム内からも立浪批判が出ていました」(前出・名古屋在住記者)
その近藤もまた、好投を続けている。あの大炎上から立ち直った精神力と努力はさすがだが、復活マウンドはまだ先になりそうだ。
(飯山満)