─そもそも、競馬にハマったきっかけは?
「最初は『ダビスタ』(ファミコンゲーム『ダービースタリオン』)でした。92年頃かな、ちまたではやってるから、ちょっとやってみたら面白くて、その後も全シリーズやってます。僕は凝り性だから、そこから血統などを色々調べ始めて、ゲームでは名馬を何頭も作りました(笑)。
でも現役時代は、馬券はほとんど買ってません。ナゴヤ球場時代は近くにウインズがあって、馬券を買う先輩選手も多かったですけど、僕は勝負事の運は野球だけに使いたいと思っていたので。ただ、知識はあるから血統のことを聞いてくる先輩・後輩にアドバイスだけしていました(笑)。現役最後の1、2年は2軍生活が長くて、その時期にちょうどパット(ネット投票サービス)が出てきて、ようやく馬券を買うようになりました。だから本格的に競馬をやり始めてまだ10年くらいなんですよ」
─一口馬主をされるぐらい競馬好きのイメージが強かったので意外です。
「買わないだけでレースを見たり、ダビスタも継続していたから、ずっと好きは好きだったんですけどね」
─一口馬主にはどういう経緯で?
「引退の直前くらいですね。サンデーレーシングのようなクラブ法人の存在を知ったんです。『競走馬に出資できるの?』という興味がまずあって。知ったのが1月で、いい馬はあらかた売れていたんですけど、残った中から2頭に出資したのが最初です。そして、3年目ぐらいでアルアイン(17年皐月賞や19年大阪杯など20戦5勝)に出会えたんで、幸せな一口馬主経験をさせてもらっていると思います」
─他にもギベオン(21年金鯱賞)やヒートオンビート(23年目黒記念)、それに21年のダービー馬シャフリヤールと、出資馬の〝打率〟はすばらしいですね。
「クラブ会員になると、出資できる馬のカタログやDVDが送られてきます。毎年毎年、けっこうな日にちをかけて出資馬を選んでますよ。歩き方や体型で点数をつけるんです。各5点満点で何項目かに分けて、全部満点だったのはシャフリヤールだけですね」
─会心の選択だったわけですね。
「もちろん未勝利で終わった馬もいますけど、出資することで本当に楽しませてもらってます。『1口がウン百万の高額馬だからだろう』と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、もっと安い牝馬がGⅠで走ってくれたこともあるし、出資額の高い安いは、あまり関係ないと思いますね。それに夢がありますよ。イクイノックスだって1口8万円で、8桁の配当が戻ってきたわけですから。
競馬って、たとえ100円でも馬券を買えばドキドキするし、一口馬主としてもその馬のレポートを読んだり、出走してるのを見たり、楽しみ方は様々。使う金額にかかわらず、自分のペースで楽しめると思うんです。僕も人生最後まで楽しませてもらえるだろうな、と思っていますね」