これをいったいどう受け取ればいいのか。プロ野球ファンなら誰しもがアッと驚く「ナゾ情報」が駆け巡ったのだ。早期のメジャーリーグ移籍を球団に直訴してモメたロッテの至宝に、新たな「移籍」が浮上し、大騒動に。その中身を検証してみると…。(2024年5月14日配信)
「まさか絶対あり得ない!」
「いや、可能性は否定できない」
プロ野球ファンが侃々諤々の議論を展開しているのは、Xに上がった衝撃的な情報についてである。
5月13日に突如としてXに出現したのは「ロッテ・佐々木朗希の電撃トレード」なる投稿だった。
〈速報:北海道日本ハムファイターズは千葉ロッテマリーンズに鈴木健矢投手(26) 、山本拓実投手(24)、矢澤宏太投手(23)と佐々木朗希投手(22)の3対1のトレードを検討。北海道日本ハムは優勝のために佐々木をチームに加えたい考えであり、加入となれば今季終了後にもポスティングを認める〉
投稿の主は、朝鮮系メディアの「野球インサイダー」を名乗り、プロ野球関連の情報を頻繁に上げている。
日本ハムは栗山英樹監督時代の2016年に優勝して以降、Bクラスの常連。仮にトレードが成立しても、オフにはメジャーリーグ移籍を目指す佐々木のポスティング申請をするとは、剛腕の気持ちを汲みすぎるほどの大サービスだ。
佐々木は今季ここまで6試合に登板して3勝2敗、防御率2.56の成績。2年連続で開幕投手を務めた左腕・小島和哉と並ぶ、チームの稼ぎ頭でもある。ローテーションの一角を担うエースをそうそう簡単にトレードに出すとはに、わかには信じられないが…。スポーツライターが語る。
「佐々木が来季、ドジャースに移籍するのは既定路線といわれています。しかし『25歳ルール』により、ロッテが受け取る譲渡金は少なく、恩恵を受けることはできない。ならば今のうちに、若手選手をまとめて獲得しようという目論見なのでしょう。SNSには時に、このような突拍子もないトレード説が流れるのですが、多くは一部ファンの単なる願望や妄想によるもの。もっとも、日本ハムはこれまで、アッと驚くようなトレードを何度も成立させているだけに、『もしかして…』と思ったファンはいたでしょうね。あながち絶対にあり得ないと言い切れないところもありますしね」
佐々木は今季、160キロ台の速球になかなか達せず、口さがないファンからは「メジャーに行く前のウォーミングアップ期間」と揶揄する声が上がっている。5月10日の日本ハム戦では自己最多の123球を投げたが、5回2/3を8安打、自己ワースト5四球で、これまた自己ワーストタイの5失点。今季2敗目を喫している。
そんな佐々木に不満を持つファンは少なくない。そうした背景も踏まえ、このようなトレード説が噴出したのかもしれない。
(ケン高田)