今、話題のフジテレビドラマといえば、広瀬アリス主演「366日」でもなく、篠原涼子・バカリズム主演「イップス」でもなく、赤楚衛二主演「Re:リベンジ-欲望の果てに-」でもなく、東京ローカルで再放送している「古畑任三郎」シリーズだろう。
1994年4月に「警部補・古畑任三郎」としてスタートした本作。今年が放送開始から30周年ということで、5月24日から「ぽかぽか」の後、夕方のニュースが始まるまでの再放送枠で放送中だ。
6月4日は、第2シーズン第1話、明石家さんまが弁護士に扮した「しゃべりすぎた男」。翌5日は沢口靖子が全寮制女子高の生活科主任教師兼寮長役の「笑わない女」、そして6日は木村拓哉が爆弾犯に扮した「赤か、青か」が再放送されたが、放送中からSNS界隈で賑わいを見せている。言っちゃあなんだが、フジテレビのドラマがここまで話題になるのは近来、稀なことであり、「古畑任三郎」恐るべし!と改めて思う。
当時、リアルタイムで見ていたお父さんお母さん世代には懐かしく、若者世代には新鮮に感じるようで、「さんま、若い」「キムタク、イケメン」などと、今と比較してのコメントが散見される。
「赤か、青か」は配信されておらず、貴重な回ということで、いっそう注目度が高かった。特にクライマックス、古畑が裏拳でキムタク扮する犯人をビンタするシーンは、キムタクが一瞬、吹っ飛んだほど。田村の本気ビンタは、一見の価値ありだ。叩いた田村はその手がよっぽど痛かったのか、手を振るところまで見逃せない。
今回、封印したキムタク回をなぜ解禁したかは不明だが、どうせなら、SMAP全員が出演した「古畑任三郎×SMAP」の回を見たいと思う視聴者は多いはずだ。
ひとつ、注文をつけるとすれば、せっかく再放送するのなら、デジタルリマスターを施した綺麗な映像で見たかった。かなり粗いものもあったので。そんなお金、今のフジテレビにはないか…。
(堀江南)