西武・松井稼頭央監督の電撃解任後、チームの再建を託された渡辺久信監督代行が、手詰まり状態に陥っている。原因は12球団最低の「貧打」にあるようだ。
松井監督は開幕から15勝30敗、勝率3割3分3厘の時点で事実上のクビを宣告されたわけだが、5月28日の交流戦から指揮を執る渡辺監督代行のここまでの成績は3勝9敗、勝率2割5分(6月10日現在)。これは2005年の楽天球団創設初年度の勝率2割8分1をも下回る数字だ。西武ファンからは「シーズン100敗」を現実視する声が上がり始める有様である。
不振の原因は様々あるが、やはり最大のネックは、12球団最低のチーム打率2割6厘だろう。そこで指摘されているのが、「西武打線に小林誠司が9人並んでいる」というものだ。スポーツライターが語る。
「巨人の小林誠司の通算成績は、打率2割5厘、出塁率2割7分2厘、長打率2割6分7厘、OPS5割3分9厘です。一方、今季の西武打線は打率2割6厘、出塁率2割6分9厘、長打率2割9分1厘、OPSは5割6分。見比べてみると、ほぼ同じ数字なのです。小林は強肩を生かした高い守備力が持ち味の捕手ですが、いかんせん打撃力が弱く、近年は出場機会に恵まれませんでした。今季の西武打線と小林の通算成績がほぼ一緒ということは、確かに1番から9番までずらりと小林が並んでいるようなもの。西武がぶっちぎりで最下位に沈んでいるのもある意味、当然と言えるかもしれません」
2018年の西武打線は、打率3割もしくは2ケタ本塁打の選手が8人並ぶ破壊力を誇り、開幕から首位を独走。一度も首位を明け渡すことなくリーグ優勝を果たし、そのあまりにも強力な攻撃力は「山賊打線」と呼ばれた。
あれからわずか6年で、荒くれた白ライオンはすっかり「白にゃんこ」化してしまった。引き合いに出された小林は、複雑な気持ちだろうが…。
(ケン高田)