メッツ・藤浪晋太郎に講じられた新たな「60日間のIL(負傷者リスト)入り」が波紋を広げている。
藤浪は6月5日に15日間のILから60日間のILへと移行したばかり。60日間のILは、現在も復帰のメドが立っていない千賀滉大と同じ扱いで、重傷の選手に適用される処置だ。ところが藤浪本人はなぜか、軽傷をアピールしている。メジャーリーグを取材するスポーツライターは、次のように分析する。
「現在は消えてしまいましたが、藤浪は6月7日のインスタグラムのストーリーズに、32メートルの距離でのキャッチボール映像を公開し、『145キロだけやけどな』と書いていた。また、『わたしはげんきです』とも綴っている。投げている映像を見る限り、球はきています。とても60日間のILに移行した選手とは思えないですね」
藤浪の復帰は、最短で7月12日となった。もし、メッツがこの時期になってもポストシーズン入り圏内を争っているなら、IL明けの選手を使うような状況にはない。
逆にポストシーズン出場が難しくなり、来季に向けてのチーム作りに乗り出すことが決まっていれば、1年契約で、しかも30歳の藤浪を登板させる意味はあまりない。将来有望な若手を積極的に起用した方がいいからだ。前出のスポーツライターが、藤浪の展望を見通す。
「来季も契約するつもりなら、IL明けに再びマイナーに落とし、3Aシラキーズで登板させて見極めることになりますが、メッツはそんなことはしないでしょうね。金満チームなだけに、5億円程度の年俸は手切れ金代わり。メッツの一員としてマウンドに立つ可能性は低い」
インスタグラムに自らのキャッチボール姿やコメントを掲載したのは、来季に向けのアピールだったに違いないが、それに食いつくチームはあるのだろうか。
(阿部勝彦)