そのまま投手生命にリンクする重大な事態発生である。右肩痛で負傷者リスト入りしているニューヨークメッツの千賀滉大が「一度調整をストップして丁寧に突き詰めていきたい」と、復帰の見通しが立たないことを5月14日、明らかにした。
キャンプ前半に違和感を訴え、4月29日にようやくマイナー選手に実戦投球を行った。5月4日に2度目の実戦投球をしたものの、患部が悪化して逆戻り。復帰スケジュールが決まらない状況に陥った。メジャー関係者が背景を解説する。
「長年の蓄積疲労が重なってきています。滑りやすいメジャー球で代名詞の『おばけフォーク』を投げると、肩やヒジに莫大な負担がかかる問題もある。リハビリが行き詰まっていて、以前のような剛速球とフォークを投げられるように戻るのか、大いに懸念されています」
2010年から2022年までプレーしたソフトバンクでは224試合に登板し、1089回を投げたタフネス右腕ながら、これまでも幾多のケガで離脱してきた。
「奪三振数は多いのですが、同時に四球もあり、球数がかさむタイプです。力投派として目一杯投げるので、体に負荷がかかっていますね。関節が不安定で、ルーズショルダー持ちとして知られている。そういったものが累積して、大きな故障になっていなければいいのですが」(スポーツ紙デスク)
現在のリハビリ過程で投球に不安を抱え、フォーム変更に取り組んでいる。昨年、5年総額7500万ドル(約102億円)というビッグディールをつかんだ千賀。このまま投げられないと、ニューヨークメディアの猛批判の的になってしまいかねない。
(渡辺優)