やはり、今年の阪神は「打てない」チームだった。
西武を3タテしたことでファンの期待が大いに高まった6月11日からの対オリックス3連戦だったが、このままでは最悪の結果となりそうだ。
6月11日に行われた初戦は、オリックス先発の曽谷龍平に6回7安打を浴びせながらもあと1本が出ず、それどころか12個の三振を奪われての完封負け。12日の第2戦は、先発の大竹耕太郎が4回に集中打を浴びて3点を先制されると、打線はエスピノーザに6回途中まで「あわや完全試合」の投球をされる展開に。結局は、4-0で2試合連続の完封負けという惨状となった。
これが昨年、日本シリーズを争った「関西ダービー」なのかと、ファンのため息が止まらないのだ。在阪スポーツ紙デスクが話す。
「西武戦で打撃状態が少し持ち直した感はあったのですが、あっという間に『貧打の虎』に逆戻りですね。特に、佐藤輝明の不調ぶりが際立っています」
西武3連戦前に急遽1軍復帰した佐藤は、初戦こそ2安打で勝利に貢献したが、翌日からは凡打の山。チャンスでの凡退が目立ち、明らかなボール球を空振りして敵バッテリーを助ける場面がやたらと目立つ。復帰後5試合で、19打数3安打で打率1割5分8厘。ホームランも打点もゼロという体たらくが何よりの証拠だ。
85年の阪神初の日本一に貢献した野球解説者の中田良弘氏は、佐藤について「何でもかんでも打ってやろうというふうに見え、見逃せばボールなのに自分でカウントを悪くしている」と問題点を指摘し、「この打席は膝から下のボールには手を出さない」「ストレート以外はスイングしない」など、テーマを持って打席に入ることを強く勧めている。
だが、前出のスポーツ紙デスクは「佐藤外し」こそが必要だと力説する。
「大山やノイジーが2軍降格している今、『起爆剤になってほしい』と岡田彰布監督も期待しています。ですが、起爆剤どころか消火剤になってしまっている。ここにきて、サードは糸原健斗、DHで豊田寛を使うべきという声が周囲から聞こえまね。まずが、佐藤を先発から外す策が必要ではないでしょうか」
14日からは、パ・リーグ首位ソフトバンクとのビジター3連戦が待っている。万が一、オリックス戦からの連敗がソフトバンク戦までズルズル続けば、借金生活からのリーグ戦再開となる。岡田監督の決断や、いかに。
(石見剣)