スポーツライターも、これに大きくうなずく。
「確かに球場には、ちょくちょく試合を見に来ているし、キャンプでは選手に話しかけたりも。以前は嫌がっていた、イベントやパーティでのスピーチも、やたらとしていますね」
その精力的な活動は年々、幅を広げていく。
「07年から大会名誉会長を務める『長嶋茂雄INVITATIONALセガサミーカップゴルフトーナメント』などの縁で懇意にしているセガサミーの里見治会長に頼まれてイベントに出演するそうです。あとは、自宅が近い金子真人氏との交流だとかも‥‥」
金子真人氏といえば、競走馬の大馬主として知られ、ディープインパクトやアパパネ、デニムアンドルビーなどの所有馬は、大きな活躍を見せた。
そうした交流が関係しているのかどうかはわからないが、14年末の有馬記念(GI)が開催された中山競馬場の来賓室には、ミスターの姿が。プライベートで観戦に訪れたのだが、JRAの後藤正幸理事長とともに、11万人の大観衆に手を振ってみせた。
ちなみに有馬記念を制したのは、ミスターと同じ2月20日生まれの牝馬ジェンティルドンナだった。
こうした動きは「長嶋茂雄本来の姿を取り戻す」ためであり、現場復帰に向けての一種のリハビリ、準備、存在アピールでもあるのだろう。スポーツ紙デスクが語る。
「外食にもよく出かけています。帝国ホテル内にある料亭『吉兆』や、港区内の隠れが的な寿司店、中華料理店、日本橋のステーキ店など、さまざま。自宅近くの焼き鳥店にもよく訪れますが、専属運転手に他の用事があって動けない時など、この焼き鳥店の主人が代わりにミスターを車に乗せて運転している。ミスターはこの店の鳥スープが大好きで、主人がそれを作って自宅に届けることもあるのだとか。とにかく今は食欲がすごいそうです。あとは、師弟関係にあるゴジラ松井がアメリカから一時帰国すると、一緒に食事に出かけたりも」
松井氏といえば、この特番内にも登場し、かつてミスターが監督時代にマンツーマンで素振り指導を受けた東京ドーム内の部屋を訪れ、再びミスターに指導を受けるシーンが収録されている。そして番組終盤、ミスターは衝撃発言をブチかます。
「やっぱり、何といっても次にね、ファンは監督になることを願っている。松井君はね、アメリカの野球もよく知ってるし、日本野球はもちろんのこと知ってますから、その日米の感覚を持って、日本で初めて監督というものをやって‥‥。今年のシーズンオフあたりはどうかなぁ。やってくれると思うけどねー」
ミスターとともに出演し、そばで聞いていた次女・三奈が「あんまり言うとホント、大問題になるから。ちょっと、あんまりハッキリ‥‥」と、焦って止めに入るほど。だが、「いやいや」と振り切って、ミスターはさらに続けるのだ。
「僕らもファンという気持ちがあるから。だからね、やっぱりそろそろ監督を、巨人軍の監督になってくれたらいいなということはね、思ってますよ」
12年の現役引退直後から巨人は松井氏に、指導者として巨人に戻ってくれるよう、幾度となくラブコールを送っている。松井氏はハッキリとした返答を避けているが、今回、球団の意向をミスターが公然と後押しする形となった。「今オフあたり」に何か根拠があるのか、あるいはミスターが出馬しての水面下の交渉で、何らかの手応えが得られているとしたら‥‥。
もしもこの「予言」どおり、近い将来の「巨人・松井監督」誕生がプレイベント的セレモニーとなって、ミスターの東京五輪への野望が実現するなら、野球ファンの感慨はひとしおだろう。