「悲劇のヒロイン」がまた勝てなかった。女子ゴルフの今季国内ツアー「ニチレイレディス」の最終ラウンドが6月16日に千葉県の袖ヶ浦カンツリークラブで行われ、初優勝を目指した佐久間朱莉は通算12アンダーで、2位でフィニッシュした。
13番ホールで6個目のバーディーをとり、通算11アンダーで単独トップに浮上。一時は2打差をつけたが、優勝した岩井明愛に16番から3連続バーディーのチャージをかけられ、逆転を許してしまった。ゴルフジャーナリストが振り返る。
「岩井は同学年、同じ埼玉県出身で、ジュニア時代からのライバルです。悔しさのあまり、ホールアウト後のロッカーでは人目もはばからず、肩を揺らせて大号泣していました。いい位置につけ、実力的にもいつ優勝してもおかしくない佐久間ですが、勝利の女神に見放されている。『富士フイルム・スタジオアリスオープン』では初日、2日目は1位でしたが、3日目に逆転されてしまいました。最終日を1位で迎えたのは今季だけで3度あり、2位で大会を終えるのも3度目。昨季はトップ3以上が4度ありました」
そんな佐久間は3歳からゴルフを始め、エリート道を歩んできた。中学生で「日本女子オープン」に出場してスカウトされ、「ジャンボ尾崎ゴルフアカデミー」に入門。埼玉平成高校のゴルフ部に入るとナショナルチームに選ばれ、プロテストはトップ通過した。
「カット気味に球を打つフェードが持ち球です。飛距離はあまり出ない方ですが、背筋がブレず、軸がしっかりしています。コントロールがよく、高い弾道でスピン量が多いため、グリーンでもピタリと止まるのが特徴ですね。引きの強さが少し出てくれば、2つ3つと勝てますよ」(前出・ゴルフジャーナリスト)
悲願の初優勝は時間の問題なのだが…。
(渡辺優)