プロ野球の祭典「マイナビオールスターゲーム2024」のファン投票が、6月23日に締め切られる。
今年のオールスターゲームは、7月23にエスコンフィールドHOKKAIDO(第1戦)、24日に明治神宮野球場(第2戦)で行われる。特にエスコンフィールドでは初のオールスター開催となるため、6月3日の中間発表では、北海道を本拠地とする日本ハムの選手が12部門中9部門でトップを占める異常事態となっている。いや、2年連続最下位だった日本ハムが今季、強いことも要因だろう。
戸惑いを隠せないのは、日本ハム推し以外の野球ファンだ。昨季、141試合に出場して打率2割6分5厘、25本塁打、74打点を記録し、ゴールデングラブ賞とベストナインに輝いた万波中正などは、セ・リーグのファンにもすっかりお馴染みになってはいる。しかし、中継ぎの河野竜生、捕手・田宮裕涼、二塁手・上川畑大悟、三塁手(登録は捕手)の郡司裕也など、軒並み「誰?」状態ではないか。このままではセ・リーグの選手は、オールスターどころか「オール日本ハム」との対戦になるかもしれない。北海道のスポーツメディア関係者は、こんな懸念を口にする。
「日本ハムの選手に大量の票が投じられているのは、地元開催へのご祝儀的なものがあるのも確かでしょう。チームは交流戦を終えた時点で、32勝28敗3分。3位につけているものの、交流戦優勝の楽天が一気に8つも勝ち越したことで、ゲーム差はわずか2となりました。オールスター当日までにBクラスに落ちるようなことがあれば、出場する選手は気まずい思いをすることになるかも」
昨年のオールスターのセ・リーグは、11部門中10部門を阪神の選手が占め、阪神以外のファンからは不満の声が噴出した。ただ、チームはトップを走っていただけに、「やむなし」という向きも少なくなかった。日本ハムにとって、オールスターまでの約1カ月間は踏ん張りどころとなる。
SNSでは日本ハムの特定の選手にイレ込んでいる女性ファンが、1人で7000票を投じたことを明かし、「用紙による投票をやめた方がいいのでは」と、投票システムへ疑問の声が上がっている。
様々な思惑と現象が入り混じる、今年のオールスター。1位に選ばれた日本ハム選手は何を思うのか。
(ケン高田)