日本中央競馬会(JRA)は6月28日、池添謙一と富田暁両騎手の騎乗停止を発表した。騎乗停止の理由が「粗暴な行為」ということで、さらにファンを驚かせたのだ。
両騎手がトラブルを起こしたのは、6月24日の夜。函館市内で行われた騎手同士の飲み会に参加し、酒に酔った池添が富田に対し、高圧的な態度で絡み始めたという。それにキレた富田が、近くにあった池添のスマホを叩きつけて画面を割ってしまう。
その後、調整ルームに戻った池添は怒りが収まらなかったのか、遅れて戻って来た富田と再び口論となり、もみ合いに発展してしまった。
どうやら、厩舎関係者からJRAへ情報提供があったことで事態は発覚。両者を含む関係者にJRAが事情聴取した結果、池添は29日から4日間、富田は2日間の騎乗停止処分となったのだ。競馬記者がこの顛末にアキレ返る。
「一部報道によれば、池添に顔面を殴られた富田は鼻骨を骨折したといわれますが、ケガの詳細はわかりません。どちらにせよ両者の処分に差が出たのは、池添が年長者で、富田にケガを負わせたからでしょう。オルフェーヴルを三冠に導くなど、大一番に強い名手として知られる池添騎手ですが、私生活では女性スキャンダルが報じられたり、SNS上ではファンに絡むなどの行動が問題視された過去があります。その中で、17歳も年下の騎手に酔ってウザ絡みする行為に、ファンからは厳しい声が出ていますね」
ところで、両者の騎乗停止に絡み、競馬ファンの間では「呪いの飲み会」というワードが急浮上している。これは一体、何なのか。
発端は池添が6月13日夜、自身のXにとある写真をポストしたことにある。
池添は「昨日はみんなで合同トレーニングの後、食事会でした」と投稿。写真には池添、富田の他に、古川奈穂、斎藤新、小林美駒、今村聖奈、横山武史と、計7人の騎手が写っているが、このうち4人が次々と落馬で負傷し、休養に追い込まれたのだ。
古川は、15日の函館8Rで騎乗馬がゲート内で暴れた際に顔面を負傷し、鼻と両頬の骨折が判明した。翌16日、函館6Rでは、斉藤が馬場入場後に落馬負傷し、右鎖骨骨折と診断されている(30日の小倉競馬で復帰)。
負の連鎖はまだまだ続く。23日には、函館の最終レース中で小林の騎乗馬が急性心不全を発症して転倒し、小林は左肩を脱臼した。さらに26日には、今村が調教中に落馬して右肩脱臼というアクシデントが…。29日に翌週手術することが明らかになった。
「飲み会の参加者が次々と負傷リタイアし、極め付きは池添と富田がケンカによる騎乗停止。まさに『呪われた飲み会』でしょう。ファンがザワつくのも仕方ありません。現在はもう1人の飲み会参加者、横山武がヘンな意味で注目されています」(競馬ライター)
だが、横山武は29日に函館で9鞍に騎乗して3勝、30日は10鞍で2勝をあげる大活躍を見せた。池添の騎乗停止で「呪い」が解けたなら、ホッと一安心だが…。
(石見剣)