試合後、岡田彰布監督が苦言を含むあれこれホンネをぶっちゃけるのは、阪神では日常的なこととなっている。それは選手のみならず、コーチ陣にも向けられる。最近は6月30日のヤクルト戦でにおける9回表の出来事に、指揮官は我慢ならなかったようだ。
阪神の1点ビハインドで迎えたこの回、二死一塁から佐藤輝明が左越え二塁打を放つ。代走の植田海は三塁コーチャー藤本敦士内野守備走塁コーチの指示通り、本塁めがけて快速を飛ばすも、だいぶ手前でタッチアウトに。岡田監督は藤本コーチの判断を、公然と批判。
「なんでも行けじゃないやろ。状況判断やんか」
これには「なんでわざわざ外に向けて発信するのか」と、岡田監督の行為を疑問視する声が。
対して岡田監督「擁護派」として熱弁をふるったのが、野球解説者の江本孟紀氏だった。
「今のご時世を考えたら、黙っておけばよかったんですけどね。彼は唯一、ミスをアピールできる、発信できる監督だということを…好き嫌いはあるでしょうけど、そういうふうに見てあげたらどうかなと」
7月2日に自身のYouTubeチャンネル〈江本孟紀チャンネル「エモやんの、人生ふらーりツマミグイ」〉でそう持論を展開したのだが、続けて言うには、
「選手やコーチがミスしたことに対して、試合後のコメントで『いやいや、あれは仕方なかったんだ』と庇う発言(の監督)が多いんですよ。直接悪く言うのはやめよう、といった風潮で…」
波風立てない穏健派の監督が多い中で、岡田監督は唯一、ビシッと意見できる指揮官として評価。藤本コーチについては、
「責めてるわけじゃないですよ。あれは単なる判断ミスだけで。しかし藤本コーチが(中継のボールが)逸れるかもしれないからと思い込みで走らせたのなら、これは間違いです。これは一番のミスだと思います」
プロであれば、三塁コーチャーにも判断力が試されるのだと、江本氏は断じるのだった。
もっとも、岡田監督が外向けの批判を展開しなくとも、佐藤の二塁打で逆転勝利に前のめりになった虎党が、藤本コーチの判断ミスに黙ってはいなかっただろう。
(所ひで/ユーチューブライター)