最大で9あった貯金は徐々に減り始め、7月3日のロッテ戦に敗れてついに0に。6日、7日のオリックス2連戦の結果によっては4位オリックスと順位が入れ替わる、Bクラス陥落がチラついてきた。
そんな日本ハムファイターズの危機的状況を察知してか、NHKが無慈悲な行動に出た。
NHK(北海道)では、7月5日夜7時30分から特別番組「ファイターズ 強さの秘密に迫る」を放送予定だ。2年連続の最下位から今シーズン、チーム力を格段に上げ、「新庄イズム」が浸透していることを紹介。球団OBでNHKのプロ野球解説者・田中賢介氏が、新庄政権3年目となったファイターズの進化と課題を、選手やコーチの証言を元に分析する内容だった。
ところが、だ。放送直前になって突如、番組タイトルが「ファイターズ進化と課題に迫る」に変更されていたのだ。地元メディア関係者が語る。
「おそらくこの番組が企画されたのは、新庄監督が首位浮上への青写真を口にしていた頃だったんでしょう。確かに5月下旬あたりは快進撃を続けており、新庄監督は『ソフトバンクとのゲーム差を少しでも縮めたい。理想は2ゲーム。直接対決で抜かすのがいちばんドラマチック』などと意気揚々と語っていました。ところが交流戦明けの直接対決で、まさかの3連敗。チーム状態が上向かないまま、気が付けば貯金を全て吐き出してしまった。NHKも今になって『強さの秘密に迫る』というタイトルは、さすがに無理があると感じたんでしょう」
思い返せば、阪神が独走していた2021年、朝日放送(ABC)は「虎バンスペシャル #あかん阪神優勝してまう」を2度にわたって放送した。ところがあろうことか、最後の最後で優勝を逃し、「優勝してまう」は「V逸フラグ」として阪神ファンの記憶に刻まれることになった。
シーズン中に「強い」「優勝」などのワードを番組タイトルに使用するのは、控えた方がいいかもしれない。
(ケン高田)