首位から最下位まで大きく差が開いてしまった、今季のパ・リーグ。ファンからは「あまりにも開きすぎて、ペナント争いの興味が削がれる」との声が上がっている。
プロ野球が2リーグ制になった1950年以降、首位と最下位とのゲーム差が最も開いたのは、1955年のセ・リーグだ。この年は巨人が92勝37敗と圧倒的な強さで優勝したが、最下位の大洋はわずか31勝。なんと61.5ゲームの大差となった。
1950年代にはまだドラフト制度がなく、球団数は現在より多かった。各球団の戦力にバラつきが出るのは必然で、50ゲーム差以上も開いたケースは4度もある。
ドラフト制度導入前に入団した選手がほぼいなくなった1980年以降は、30ゲーム差台以内に収まる年が多くなった。それでも、40ゲーム以上開いた「悲惨な例」は6つある。
記憶に新しいのは、2005年のパ・リーグだろう。この年は参入1年目の楽天が38勝しかできずに最下位。首位とのゲーム差は51.5だった。前年オフに合併したオリックスと近鉄のプロテクトから漏れた選手を中心に編成されたチームだけに、他球団との戦力差は埋めようがなかったのだ。
冒頭で書いた通り、7月4日終了時点でパ・リーグ最下位の西武は、首位を独走するソフトバンクから26ゲームも離されてしまっている。直近6年間で投打の主力を5人もFAで失った(引き止められなかった)こともあり、2005年の楽天同様、戦力的に見劣る感は否めない。ただ、61.5ゲーム差、51.5ゲーム差などと比べれば、今年の西武は「まだまだ大したことはない」と思えてしまう…。