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王位戦「函館決戦」で藤井聡太七冠が熱望する廃止前の函館本線「山線」乗車は叶うのか

 函館が今、日本一アツい街になっている。

 函館が事件の舞台になったアニメ「名探偵コナン」の劇場版映画「名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)」の興行収入は、7月9日までに153億円を突破。観客動員数は1070万人を超えた。

 さらに7月6日と7日、千日手からの死闘で藤井聡太七冠が逆転勝ちしたのは、将棋の「伊藤園お~いお茶杯第65期王位戦7番勝負」第1局。その第2局が7月17日、18日の両日に、函館・湯の川温泉のホテル「湯元啄木亭」で行われる。

 王位戦の主催者は、地元の北海道新聞など三社連合。函館で王位戦が指されるのは2012年の第53期以来12年ぶりということで、「湯元啄木亭」の公式Xは第1局終了後、10万インプレッションまでアクセス数が急増した。

 昨年11月に北海道小樽市で開催された第36期竜王戦の第4局で、藤井がおやつに選んだ倶知安町「お菓子のふじい」の「塩バター大福」は発送まで半年待ち、この春まで通常発送が困難になるほどの大反響があった。次の函館決戦ではどんなおやつを選ぶのか、全国から注目されているのだ。

 さらに函館にはもうひとつ、藤井七冠を魅了させる名物がある。それが「鉄道」だ。

 函館は北島三郎や石川さゆりが熱唱した「津軽海峡」の玄関口。1988年3月の運航最終日まで乗客を乗せていた青函連絡船「摩周丸」を展示する函館市青函連絡船記念館、2016年に開業した北海道新幹線の新函館北斗駅もある。

 対局地の「湯元啄木亭」から望めるレトロな函館市電、大沼国定公園の雄大な自然を借景にした特急「北斗」、北海道新幹線延伸後に在来線を残すために創設された、現在では道内唯一となった第三セクター「道南いさりび鉄道」も魅力的だ。この「道南いさりび鉄道」の見どころは、漆黒の津軽海峡に宝石を散りばめたようなイカ漁の漁り火と、函館山、函館の夜景を望む夜の車窓だ。

 昨年の小樽での竜王戦防衛後、記者からの「ここ(小樽)からどこへでも行ってもいい、と言われたら?」の問いに藤井七冠は、

「函館本線の『山線』の方に乗る機会があればな、と思っています」

 北海道新幹線の延伸で廃線が決まっている函館本線「長万部~小樽」間を、鉄道ファンの間で親しまれている「山線」の俗称で即答したのだった。函館から函館本線に揺られて3時間、110キロ離れた長万部の「山線」と名物「カニ弁当」との会遇は、今回の決戦で叶うのだろうか。

 そういえば今年4月にはJR貨物、函館貨物駅内に鉄道コンテナの積み替えステーションが開業したばかり。函館は青函トンネル限定の車両など、JR貨物が運行するレアな機関車、旧式機関車とコンテナの撮影ポイントとして、鉄道ファン垂涎の地でもある。

 こうなると、藤井七冠に立ちはだかるのは渡辺明九段なのか、テツ旅の誘惑なのか、わからなくなってくる。

 日本鉄道賞の選考委員でもある藤井七冠がこれらの「鉄道遺産」を回れば、地元スイーツ以上の経済効果が期待できるだろう。叡王、棋聖、王位と激戦続きの夏の疲れを「テツ分補給」で乗り切って欲しい。

(那須優子)

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