常夏の国タイのエアアジアXは7月17日に、今年10月1日より航空機のバンコク発着便をスワンナプーム国際空港からドンムアン国際空港に移転すると発表した。
昨年9月にはスワンナプーム国際空港に新しいサテライトターミナルがオープンし、エアアジアXやタイ・ベトジェットエアが同ターミナルの発着便として利用し始めたばかりだった。しかし今回の移転により、日本発着の成田、大阪、名古屋、札幌便の全てがドンムアン空港発着となる。この変更について、タイを訪れる旅行者からは様々な意見が寄せられている。
「スワンナプーム空港は出入国審査時に常に行列ができるため、ドンムアン発着になるのはいいことだと思います。バンコクからチェンマイやプーケットなどの国内線に乗り継ぐ際、スワンナプームからドンムアンへの移動が面倒でした。ドンムアン空港は人気観光地のアユタヤにも近く、旅行初日や帰国日に立ち寄るのに便利ですね」
年末年始などに多くの人がタイを訪れる際、スワンナプーム空港では出入国検査に行列ができるのは事実。ドンムアン空港との分散により、今年の年末年始の混雑は緩和されるかもしれない。
そうした賛成の声が上がる一方で、「不便になる」という意見も聞かれた。バンコクから南東に約150キロ離れたリゾート地パタヤをよく訪れるという男性は、このような不満を漏らす。
「ドンムアン空港からパタヤまでの直行バスがないため、市内のバスターミナルに行き、パタヤ行きの高速バスに乗り換えなければなりません。バンコク市内を通るため、夕方のラッシュ時には渋滞が激しく、なかなか進まない。特に移転が始まる10月は雨季のピーク時期でもあり、雨が降るとさらに渋滞がひどくなるんですよね」
そのため、ドンムアン空港からパタヤへ向かう人の中には、渋滞を避けるためにスワンナプーム国際空港とバンコク中心部を結ぶ「エアポート・レール・リンク」を利用し、スワンナプーム空港まで行ってからバスでパタヤへ向かう人が多い。
この路線は2026年にドンムアン空港駅まで延伸する予定だが、それまでの間、ドンムアン空港へのアクセスの不便さは続くことになる。エアアジアの移転がこの状況にどう影響を与えるのか、注視していきたい。
(旅羽翼)