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パリ五輪サッカー日本代表の最重要試合「南米1位のパラグアイ戦」がその後の命運を決める

 いよいよパリ五輪が開幕する。

 サッカー競技は開会式(現地時間7月26日)の2日前となる24日に始まり、決勝は8月9日に行われる。

 各国とも選手の所属クラブとの交渉やオーバーエイジ(OA)枠の選手の招集に苦戦したり、大会前の練習試合でケガ人を出して登録メンバーを入れ替えながら本大会を迎える。

 優勝候補に挙げられるのは開催国のフランス、前回東京五輪で銀メダルのスペイン、そして過去2度の金メダルを獲得しているアルゼンチンあたりか。

 ただ、日本のグループにも曲者が揃っている。初戦(日本時間7月25日午前2時)でぶつかるパラグアイは、南米予選を1位で通過してきた強豪。当初はOA枠ゼロだったが、GKがケガで離脱。続いてブラジルのクラブに移籍する選手のメディカルチェックで筋肉トラブルが発覚し、招集を断念する。代わりにOA枠の選手を2人招集し、さらに三苫薫が所属するブライトンからフリオ・エンシソを追加招集。土壇場で3人のメンバーを入れ替えた。

 2戦目(日本時間7月28日午前4時)のマリは3月に来日した際、日本は1-3で逆転負けを喫している。半分以上が来日した時のメンバーで、そこにOA枠で2人を招集している。日本のメンバーは3月の試合時と代わっているが、マリは自信を持って臨んでくるはずだ。

 3戦目(日本時間7月31日午前4時)のイスラエルは、主力のGK2人が立て続けにケガで離脱。緊急入れ替えを余儀なくされた。ただ、昨年のU-20W杯ではグループリーグで日本に2-1と競り勝ち、ベスト8ではブラジルを延長の末に3-2で破って3位に入るなど、若年層の躍進が目立つ。

 この3試合で最も大事な試合は、初戦のパラグアイ戦だ。勝つか負けるか引き分けるかで、その後の戦い方が大きく変わってくる。もし初戦で負けるようなことがあれば、いきなり崖っぷちに追い込まれ、中2日の過密日程では立て直す時間がない。そのまま連敗すれば、グループリーグ敗退が決まる可能性もある。

 だから、引き分け以上の結果が必要となる。勝てば2戦目以降に余裕が出てくる。たとえ引き分けて2戦目で負けても、3戦目に決勝トーナメント進出の可能性を残せる。どんな内容でもいいから、パラグアイ戦は勝ち点を取らないといけないのだ。

 過密日程の中で期待したい選手は最終メンバー18人に選ばれた全員だが、ここにきてレギュレーションが変わった。登録メンバー18人にバックアップメンバー4人。当初は本大会メンバー18人にケガなどのアクシデントがあった場合のみ、バックアッパーメンバーと入れ替えることができた。新ルールではケガだけではなく、肉体的な疲労や精神的な疲労でも、チームドクターの診断書さえあれば入れ替えが可能になり、回復すれば復帰することができる。

 つまり、バックアップメンバーにも試合に出場するチャンスが出てきた、ということになる。その4人の中でも期待するのが、山田楓喜だ。18人のメンバーを見ても似たようなタイプの選手が多く、試合の流れを変えるような選手がいない。

 ただ、山田には左足がある。フリーキックからのシュート、決定的なラストパスと、彼の左足で流れを変える可能性は十分にある。試合に出場する可能性は高くないが、バックアップメンバーが結果を出せば、チームは勢いに乗れる。

 OA枠ゼロ、久保建英も招集できなかったことで、サッカーに対する期待値は低くなっている。開会式前の試合でいい結果を出し、日本選手団に勢いをつけてほしい。

(渡辺達也)

1957年生まれ。カテゴリーを問わず幅広く取材を行い、過去6回のワールドカップを取材。そのほか、ワールドカップ・アジア予選、アジアカップなど、数多くの大会を取材してきた。

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